兄や、兄嫁を、

変わっていると言いましたが、

僕も、変わっています。

 

趣味が、数学だからです。

 

高校生になると、

難問ばかり解くようになります。

 

ゲーム感覚です。

 

大学も、数学科です。

 

卒業すると、

高校の数学の教師になります。

 

男子校ですから、

色気は、ありません。

 

僕の生活に、色気と言ったら、

美しいメス猫がいるくらいです。

 

猫との二人暮らしです。

 

夜も、一緒に寝ます。

 

面白いのは、どんなに寝返りを打っても、

目の前にいることです。

 

左向きで寝て、目の前に、猫がいて、

寝返りを打って、目を開けると、

右向きに寝た目の前に、

やっぱり猫がいるんです。

 

2匹いるのか?って

振り向くこともあります。

 

僕が寝返りを打つたびに、

猫は布団から出て、

入り直すんです。

 

何度寝返りを打っても、

目の前です。

 

背中を向けられるのが、

淋しいんでしょう。

 

エサをあげても、

僕が離れると、

食べるのをやめて、ついて来てしまいます

 

それで、いつも、

食べ終わるまで、そばにいます。

 

僕は、猫に、毎日、

かわいい。 愛しているよ

って言います。

 

本当に愛しているんです。

 

かわいくて、たまりません。

 

そんな僕が、

初めて人間の女の子と仲良くなります。

 

僕が27歳のときです。

 

彼女は17歳です。

 

きっかけは、

僕が数学の教師だと知っている、

知り合いの人から、

数学を教えてあげてほしい

と頼まれたんです。

 

ただ、その子、

驚くほど、数学ができない。

 

九九だって、怪しいです。

 

でも、短いスカートの、

太ももが白くて、まぶしいです。

 

何回か教えたあと、

彼女にキスされました。

 

彼女から、パンツを脱ぎます。

 

僕は、初めてです。

 

もともと数式ばかり解いて、

友だちもいないんですから、

彼女なんて、できるわけがありません。

 

女性に免疫のない僕には、

抵抗できませんでした。

 

ところが、家に帰ると、

猫が、もの凄いうなり声をあげて、

僕に飛びかかります。

 

そんなことは、初めてです。

 

僕が何をしてきたか、

わかるらしいんです。

 

どう見ても、嫉妬しています。

 

悲しんでいます。

 

それで、僕も、後悔したんです。

 

 

ー つづく ー

 

 

 

猫も、悲しむんですよウインクラブラブ