やっと病院まで来たのに、休診日です。

 

ですから、大きな自動ドアは開きません。

 

でも、龍と石の女は、

開かない自動ドアを通り抜けました。

 

大きな病院なので、中に入れれば、

緊急外来患者のための医師がいるはずです。

 

わかった!

 

このガラスドアを通り抜けられたのは、

龍の力だ!

 

それで、龍に、お願いします。

 

どうか、僕も、中に入れてください

 

龍は、快く承知してくれます。

 

それでも、今度は、石の女の後ろに乗ります。

 

これなら、たとえ、ぶつかっても、

石の女が、

ガラスドアを割ってくれるはずだからです。

 

ところが、また僕だけ、激突して、

転げ落ちました。

 

もう、本当に、死にそうです。

 

出て来た龍たちに、文句を言います。

 

どうして入れてくれないんですか?

 

入ろうとしないのは、あなたでしょ?

 

入りたいですよ!

 

だったら、なぜ、外にいるの?

 

入るためには、龍の力が必要でしょ?

 

そう思っているから、入れないのよ

 

だったら、どう思ったらいいんですか?

 

中にいるって思ったらいいのよ

 

龍が、そう言うんですから、

そうなのかもしれません。

 

それで、もう1度、

背中に乗せてもらいました。

 

また激突です。

 

龍と、石の女は、大笑いです。

 

あなた、頭が固すぎるわ

 

その頭を、ガラスドアに何度もぶつけて、

僕は本当に死にそうです。

 

どうやったら、中に入れるんですか?

 

あなたは、

外にいると思っているんでしょ?

 

外に、いますよ!

 

外なんて、ないのよ?

 

ありますよ!

 

だったら、夢は、眠りの外にあるの?

 

はぁ?

 

僕は、現実の話をしているんですよ?

 

現実って、

外があるって思っている世界のことでしょ?

 

思っているんじゃなくて、あるんです

 

その外って、どこにあるの?

 

僕の外側です

 

だから、あなたは、中に入れないのよ。

 

外があるって、思うのは、

外にいるって、ことだからよ

 

龍の言っていることがわからないのは、

僕の頭が固いってことなんでしょうか?

 

 

ー つづく ー





外側があったら、

ONENESS(ワンネス)は

ありませんウインクラブラブ