ヘビって、怖いですよね?
長くて、にょろにょろしているからですよね?
ところが、龍も、
長くて、にょろにょろしているんです。
骨折しているので、
病院まで運んでほしいんですけど、
龍に乗せてもらうのは、
巨大なヘビに乗せてもらうようなものです。
龍は、山の中を、
まるで海ヘビのように泳ぎます。
それで、なかなか、乗せて?って言えません。
石の女が、不思議がります。
「早く運んでもらいなさいよ」
「・・・・ほかに、ないの?」
「じゃ、熊、呼んで来ようか?」
「熊はダメだよ!」
「じゃ、リス?」
仕方ないので、龍に頼みます。
「病院まで、乗せてもらえますか?」
「いいわよ」
龍が、降りて来てくれます。
ところが、龍は、じっとしません。
そのうえ、僕は骨折しているので、
痛みで、なかなか乗れません。
見ていて、じれったいのか、
石の女が手伝ってくれます。
でも、石の女は、痛みを知らないので、
力まかせです。
僕が悲鳴をあげても、お構いなしです。
なんで悲鳴をあげているのか、
わからないんです。
僕は泣きながら、
龍の背中にしがみつきました。
ところが、石の女も、一緒に乗るんです。
「え? 一緒に行くの?」
「どうせヒマだから」
確かに、石ですから、ヒマには違いないです。
でも、石の女と一緒だと、
病院で診(み)てもらえるか?わかりません。
「来なくていいよ」
「どうして?」
「・・・・石だから」
ところが、石の女は、重いせいと思ったのか、龍に聞きます。
「私くらい、乗せて、飛べるわよね?」
「もちろんよ!」
龍は、どんなに飛べるかを、
見せたくなったようです。
竜巻のように舞い上がります。
もちろん、骨折している僕は、
しがみついていられなくて、転げ落ちます。
山の斜面に落ちて、
骨折しているので、激痛です。
さらに、転がり落ちて、
痛みで、叫び声をあげるんです。
ー つづく ー
でも、龍の夢なんですから、
きっと縁起は良いんでしょうね