神様のところへ

案内してさしあげますから、

入っていらっしゃい

 

 

でも、巫女さんがいるのは、

小さな祠(ほこら)の中です。

 

 

ミニチュアの家のようです。

 

 

猫1匹で、

ちょうどいいくらいの小ささです。

 

 

ところが、小さな祠の中には、

広大な庭園があります。

 

 

まるでVR(バーチャルリアリティ)の

ゴーグルを

覗き込んでいるかのようです。

 

 

どうやって入るんですか?

 

 

中のものが、外に現れているのですから、

外のものは、中のものだと、

わかればいいんです

 

 

・・・・・わかりません

 

 

簡単に言えば、

外なんて無いってことです

 

 

もっと、わかりません

 

 

たとえば、夢は、

外になんかありませんでしょ?

 

 

でも、これは、夢じゃないですよ

 

 

神様は、上の次元にいらっしゃるのよ?

 

上の次元の中に、下の次元の世界はあるの。

 

中にあるのに、

外にあると思っていたら、勘違いでしょ?

 

 

・・・・でも、僕は、

上の次元になんか、いないから

 

 

あなたは、上の次元にいるって、

気づいていないだけなんです。

 

あなたは、もっと、高次元の存在です。

 

ですから、夢の中にいて、

夢だと気づいていないのと同じなんです

 

 

僕は、ちょっと驚きます。

 

 

僕って、高次元の存在なんですか?

 

 

ですから、バスに乗れたのです。

 

そうでなかったら、

下の次元の世界で、無くなったら、

そのまま無くなるだけでしょ?

 

 

そう言われてみると、

あの大地震が来て、

津波に飲まれた世界から出て、

バスに乗れた気がします。

 

 

出たってことは、

あの世界は、中にあったってことです。

 

 

ですから、今は、

外から眺めているようです。

 

 

ちょうど、

夢を思い出している感じです。

 

 

夢も、中にあります。

 

 

夢が、外にあるって、

思っている人は、いませんよね?

 

 

ですから、あの世界は、

外にあると思っていたんですけど、

中にあったらしいです。

 

 

そう気づいたら、

広大な庭園の中に立っていました。

 

 

巫女さんが、目の前で、笑います。

 

 

やっと、気づかれましたね?

 

 

それから、僕を、神様のもとへと

案内してくれたんです。

 

 

 

ー つづく ー