石の女は、身長が60cmくらいです。

 

ずんぐりむっくりしています。

 

大きな顔が、肩に、いきなり乗っています。

 

ねぇ? どうしたの?

 

山の中で、こんな石に出会ったら、

誰でも逃げます。

 

でも、僕は、脚を怪我しています。

 

飛んでいて、巨木に激突したからです。

 

・・・・・木に、ぶつかったんだ

 

そんなやわらかいものにぶつかって、

泣くことないでしょ?

 

きっと石の女にとっては、

木はやわらかいんです。

 

この近くに病院ってある?

 

びょういん?

 

接骨院でもいいけど?

 

せっこついん?

 

僕も、石の女を、まじまじと見つめます。

 

石の女が骨折するようには見えません。

 

・・・・あなたには、

どっちも必要ないよね?

 

必要ってものがないわね

 

確かに、そうです。

 

誰か、呼んで来てほしいんだけど?

 

でも、石の女に呼ばれたら、

逃げるかもしれません。

 

でも、頼むしかないです。

 

誰?

 

誰でもいいから

 

石の女が、にっこり笑います。

 

だったら、私でもいいんじゃない?

 

石の女は、60cmくらいなので、

負(お)ぶってもらうには、

小さすぎます。

 

木にぶつかって、

肩と、脚を怪我したんだ。

たぶん、骨折していると思う

 

こっせつ?

 

お願いだから、誰かを呼んで来て?

 

病院まで運んでほしいんだ。

 

頼むよ

 

一生懸命に頼んだら、

呼びに行ってくれました。

 

石が歩くのを、初めて見ました。

 

転がっているようにも見えます。

 

ところが、石の女が呼んで来たのは、

白い龍でした。

 

体長20mほどの白龍で、腰を抜かして、

這って逃げようとする僕の目の前に

降りて来たんです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

 

石の女と話している時点で、

夢だと気づけないのが、夢らしいですウインクラブラブ