食べようとする
スーパーマーケットで、
バナナを1本、万引きして、
股間に隠したって疑われて、
パンツまで脱がされました。
万引きGメンの彼女が、僕が隠すのを
見たって言うんです。
パンツまで脱がしたんですから、
当然、彼女は謝ると思っていました。
ところが、もっと怒り出したんです。
「あなた、バナナの皮を剥(む)いて、
こんなところに隠して、
どういうつもりなの？」
「まだ、バナナに見えるんですか？」
「皮は、どうしたのよ？」
「だから、バナナじゃないってば！」
「どう見たって、バナナでしょ！」
「え？」
僕は、彼女の顔をまじまじと見つめます。
でも、彼女、本気なんです。
本気で怒っているんです。
「もしかして、男の人のものを
見たことがないんですか？」
「あるわよ」
「だったら、
バナナじゃないってわかるでしょ？」
「あなたこそ、
素直に認めたらどうなの？」
「何を、ですか？」
「万引きしたってことを、よ」
僕も、怒ります。
「どう見たって、
万引きなんかしてないでしょ！」
彼女も、僕のものを指さします。
「これが、動かぬ証拠よ！」
「バナナだって言うんなら、
食べれますか？」
「私が食べたら、認めるの？」
「食べれるわけがないでしょ！」
「だったら、今、食べて見せるから」
僕のものを、つかんで、取ろうとします。
僕は、その手を押さえます。
引っ張られたら、
痛いに決まっているからです。
「引っ張らないでください！」
「どうして？」
「取れないからですよ」
「だったら、こうして、
私から食べてあげる」
彼女は、立っている僕の前に、
両膝をつくと、
食べようとするんです。
ー つづく ー
ごめんなさい
