彼女と僕は、

レジをバラバラに分解しています。

 

 

レジの中には、

神様に手渡すはずの手紙が

入っています。(3話参照)

 

 

その手紙を取り出すためです。

 

 

もっとも彼女は、

服を取られたので、

取り返そうとしているんです。

 

若くて、美しい女が、

裸で、機械を分解しているのが、

かえって艶(なま)めかしいです。

 

金属の硬さに、

彼女のやわらかさが、

際立ちます。

 

 

彼女が、手許で、

分解していると、

金属の面に、

唇や、乳首の赤らみも、

映ります。

 

 

ところが、彼女の分解の仕方が、

半端ではありません。

 

 

分解というより、

粉々(こなごな)です。

 

 

服を取られた恨みかもしれません。

 

 

どこまで分解するんですか?

 

 

素粒子までよ

 

 

素粒子って?

 

 

だから、物質じゃなくなるまでよ

 

 

僕は、びっくりです。

 

 

分解していくと、

物質じゃなくなっちゃうんですか?

 

 

もともと物質じゃないんだもの

 

 

だったら、何なんですか?

 

 

振動よ

 

 

振動になるまで、

レジを分解するつもりのようです。

 

 

僕は、手紙さえ戻ればいいんですけど?

 

 

でも、神様に手渡すんでしょ?

 

 

ゴミ捨て場で寝ていたお婆さんに、

手渡してくれって、

頼まれたんです

 

 

だったら、やっぱり、

振動になるまで、

分解しないと

 

 

彼女が、笑います。

 

 

おっぱいのふくらみでさえ、

笑っているみたいに、揺れます。

 

 

そこに神様がいるんですか?

 

 

そこまで分解すると、

かえって別々でなくなるでしょ?

 

振動は、ひとつだもの

 

 

それが、神様?

 

 

このレジにしてみれば、

壊されているって、

思っているだろうけど、

実は、神様に戻っているのよ。

 

レジのままでいるってことが、

別々って

ことなんだから

 

 

彼女が言っていた

分解が鍵って、

このことらしいです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

え!

 

僕らって、振動なの?ウインクラブラブ