彼女は、僕のギターだって言うんです。
でも、どう見ても、人間の、
15歳くらいの、
女の子です。
裸で、僕に抱かれています。
ただ僕も13歳なので、
うまく抱けません。
それで、彼女に教えてもらっているんです。
でも、彼女の教え方がヘンです。
そもそも、この世界は、
音楽だって言うんです。
現れては、消えるって。
それを、記憶の中で、
つなげているって。
だから、世界は、僕の中にあるって
言うんです。
「大事なのは、どう思うかなの。
だって、記憶なんて、
結局は、そう思ったって
だけなんだから」
「記憶が、ですか?」
僕は、彼女の穴の、びらびらを、
指で、いじっているんですけど、
彼女の音色が変わります。
艶(あで)やかな音色で、
僕まで音楽にしそうです。
「入れてもいいですか?」
「まだ、わたしが、外にいるって、
思っている?」
「でも、勝手に、入れたら、
いけないでしょ?」
「もともと、ひとつなのよ?」
「だったら、ひとつになりたいです」
「この世界は、振動だって言ったでしょ?
音なのよ。
音楽にしているのは、あなたなの。
どんな音楽にしたい?」
「あなたと、愛しあいたい」
「だったら、そんなふうに、
弾いたらいいのよ」
でも、ギターが弾けるようになるのって、
技術が必要です。
「思いだけで、いいんですか?」
「でも、世界って、
思いでできているのよ?」
「どんな?」
「だから、思い通りにならないって、
思いよ。
あなたは、思い通りにならないって、
思っているでしょ?
だから、現実なんて呼ぶのよ」
「だったら、現実って、
変えられるの?」
「変えられるわよ。
だって、物質だって、
無いんだもの。
どんな物だって、
振動なのよ。
音なの。
音を、物質とは、
言わないでしょ?」
「物が、音とは、
思えないけど・・・・」
「それは、この世界が物質だって、
思っているからなの。
そう思い込んでいるの。
でも、音楽なのよ。
音楽なら、変えられるでしょ?」
「もし、この世界が、
音楽なら、
美しい音楽にしたいです」
「現実が変わらないんじゃないのよ。
変わらないという思いが、
現実ってだけなの」
そのためには、
世界は物質ではなくて、
音楽だと、
わかる必要があるみたいです。
ギターが、
女の子に見えるのも、
音楽ってことかもしれないです。
すべては、振動だからです。
そう見えるってことが、
そう思っているってことらしいんです。
the end
最後まで、
お読みくださって、
ありがとうございました![]()
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