岩の上で
「夢か・・・・・・」
瞑想中に、眠ってしまったんです。
見上げると、美しい月です。
まるくて、やわらかな白さで輝いています。
川の、流れる水まで、月の光のようです。
僕は、山の中、渓流のほとり、岩の上で、瞑想しています。
それが、僕の仕事だからです。
もっとも、よく考えてみれば、ひとりで、夜、山の中なんか、怖いはずです。
でも、僕が考えたのは、高速道路での、夢のことです。
渋滞中のクルマの中で、父がウンチしそうになって、困っていたんです。
「どうして夢だって、気づけなかったんだろ?」
そもそも、夢の中では、子供でした。
5歳とか、6歳くらいでした。
そのことだけでも、夢だって気づいていいはずです。
あのとき、僕はクルマの中にいたんですけど、実際は、夢の中にいたんです。
つまり、クルマの中にいると思っていたんですけど、クルマの中どころか、僕そのものが、いませんでした。
そう思っていただけです。
僕がいるという、夢を見ていただけなんです。
瞑想中に、眠ってしまったわけです。
僕は、岩の上で、座り直しました。
ちゃんと仕事しようと思ったんです。
瞑想することが、僕の仕事だからです。
ー つづく ー
お読みいただいて、ありがとうございます![]()
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