わざとじゃないんですよ?
蜘蛛の糸が、すごい粘着力です。
ベタベタです。
蜘蛛の巣に引っかかっている人は、ぐるぐる巻きになっています。
呻(うめ)いているんですけど、若い女の声です。
苦しそうです。
それで、息ができるように、蜘蛛の糸を、千切ろうとしました。
でも、簡単には、千切れません。
伸びるんです。
包帯を千切るくらい、力が、いります。
でも、顔が現れると、カワイイ女(ひと)です。
そのかわり、僕の手も、蜘蛛の糸がくっついて、ベタベタです。
「たすけて!」
「あなたも、蹴られたんですか?」
「ヘンな物があると思って、触ってみたら、取れなくなっちゃって・・・・」
「自分から触ったんですか?」
「なんなの? これ?」
僕は、まだ踠(もが)いているクモ男を、蜘蛛の糸を引っ張りながら、手で、指(さ)しました。
「クモ男なんです。
このままじゃ、僕ら、食べられてしまうんですよ!」
数十m先で、引っ繰り返って、踠(もが)いているクモ男を見たとたん、彼女が悲鳴をあげ始めました。
「今、助けますよ!」
ところが、蜘蛛の糸を取ろうとしているのか、彼女の服を脱がそうとしているのか、わかりません。
だって、蜘蛛の糸を引っ張ると、服がくっついてきて、ブラの胸が、丸見えになります。
さらに、ブラまでくっついて、引っ張ると、ブラが取れて、おっぱいが露(あら)わになります。
「わざとじゃないんですよ?」
「わかってます。
早くたすけてください・・・・」
「かえって、これ、服を脱いだほうがいいかもしれない。
脱がしてもいいですか?」
「・・・・・脱がしてください」
それで、僕は、ゆで卵の殻を剥くようにして、服を脱がして行ったんです。
ー つづく ー
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