STEP.5生きていてほしい

 

 

 

  ここまでのあらすじ


ママが、しらないおじさんに、つれて行かれたんで、ぼく、たすけようとしました。


でも、ぼくは、トラックにぶつかって、たましいに、なっていたんです。

 

 


 気づくと、びょういんの中でした。

 

 

 白いろうかのソファに、ママが血だらけで、すわっています。

 

 

 ぼくが、かけよろうとすると、ろうかのむこうから、パパが来るのが見えました。

 

 

 ママも気づいて、パパにだきつくと、また、なきだしたんです。

 

 

 「・・・頭から、脳味噌が出てたの・・・・・私、戻そうとしたんだけど・・・・・

 

 

 たぶん、ぼくの話です。

 

 

 ぼくは、頭をさわってみたけど、のうみそなんて、出てないです。

 

 

 それで、ママにだきついて、「出てないよ! 出てないよ! 見て! 見て!」って、言ったんです。

 

 

   

 

 

 それなのに、ママも、パパも、見てくれないんです。

 

 

 ぼくも、ないて、大声で、「パパ!ママ!」って、ずっと、よんだんです。

 

 

 でも、ふたりで、だきあっているだけなんです。

 

 

 おにいさんたちが来て、ぼくを、だいてくれました。

 

 

 「ママには、パパがいるから、大丈夫だよ。

 

 

 これは、ママとパパの計画なんだ。 キミは、それに協力したんだよ

 

 

 「けいかく?

 

 

 「深い悲しみから、深い愛を学ぼうとしているんだ

 

 

 「なんで?

 

 

 「どんなにキミのことを愛していたかに、気づきたいんだよ

 

 

 もうひとりのおにいさんが言います。

 

 

 「キミは、ママが、知らないおじさんに連れていかれたと思って、助けたかったんだろ?

 

 

  でも、もう、ママは、パパと、いるんだ。 これで、安心したろ?

 

 

  だから、僕らと帰ろ?

 

 

 「どこへ?

 

 

 「魂(たましい)の世界だよ

 

 

 そこへ、白いふくをきた人が来て、せつめいしたんです。

 

 

 「頭部は、開いたために、かえって、脳内での出血が免(まぬが)れました。

 

 

 ただし、損傷しているので、回復したとしても、障害が残ります

 

 

 それを聞いて、パパも、ママも、いのりはじめたんです。

 

 

 たとえ、どんなことになっても、ぼくに、生きていてほしいといういのりでした。

 

 

   ー つづく ー

 

お読みいただいて、ありがとうございますお願い

 

 

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