最終話 夢の世界には、夢はない

 

 

      ここまでのあらすじ

 

    私には、飛んでいた記憶がありました。

 

 

    ですから、絶対に飛べるって、信じていました。

 

 

    ところが、実際に飛んでみると、後悔しちゃったんです。

 

   

    飛べるって、簡単すぎることだったんです。

 

 

 

 

    私は、あっと言う間に、大きな炎たちに、つかまってしまいました。

 

 

      

 

 

    ところが、赤や、紫や、緑の、炎たちは、私を抱きしめるんです。

 

 

    私も、白い炎で、混じり合ったりしながら、みんなで、燃え上がっているんです。

 

 

    「おかえり」って、言うんです。 声じゃないんですけど。

 

 

    でも、私、やっぱり泣いているんです。後悔しているんです。

 

 

    「ちょっと、間違いちゃったの。 

 

 

     お願いだから、もう1回、行かせて?」って、頼んだんです。

 

 

    「でも、あなた、夢を叶えたんでしょ?」って、紫の炎が笑うんです。 

 

 

    「飛びたいって、願っちゃったの」 私は、白い炎の涙を、ほとばしらせています。

 

 

    「私たち、いつも、あなたのまわりを、飛んでいたんだけど、大笑いしてたわ。

 

 

    だって、飛びたいって、そんな簡単な願い、誰も、願わないもの

 

 

    「だから、間違えたの

 

    

    「せっかく、夢を叶える感動を味わうために、行ったのよ?

 

 

     飛べるのに、飛んだって、感動なんて、味わえるわけがないでしょ。

 

 

     飛んでいたことを、思い出しただけでしょ?

 

 

     まったく、その通りでした。

 

 

    「できない世界だから、願いを、見つけられるの。

 

 

    なんでも、できちゃう世界では、願いは、見つけられない。

 

 

    この世界じゃ、願いは、見つからないの。

 

 

    夢の世界には、夢はないってこと

 

 

    「わかってるよ。

 

 

    だから、もう、1回、お願い・・・・・

 

 

    今度は、ちゃんと、見つけるから

 

 

    どの炎も、大笑いして、燃え上がっています。

 

 

    「もう、あなた、公園のベンチで居眠りして、死んじゃっているのよ?

 

 

    夢を叶えるための身体は、もう必要がなくなったの。

 

 

    だから、今度は、私の順番よ。

 

 

    あなたは、私のまわりを飛んで、今度は、私が夢を叶えるのを、助けるのよ。

 

 

    だって、飛びたかったんでしょ?

 

 

    そう言うと、みんなで、大笑いして、燃え上がっているんです。

 

 

    つまり、私の役目って、実現するのが難しい世界で、願いを見つけることだったんです。

 

 

    その願いを叶えるために、魂(たましい)の仲間たちが、助けてくれるんです。

 

 

    ただ、今回は、私が飛びたいって、願ったんで、仲間たちは、ただ呆(あき)れていたらしいんです。

 

 

    もっと、現実的な願いをしろって、ことでした。

 

 

    せっかく夢の世界から、現実的な世界へ行ったんですから。

 

 

       ー おわり ー

 

 

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   あとがき

 

  僕の作品を、書いているのも、たぶん、そういう存在たちです。

 

  それで、いつも、書き終えると、

 

  ご苦労様でした。

 

  お疲れ様でした。

 

  ありがとうございます。

 

  と、手を合わせて、感謝します🙏

 

  僕らは、誰でも、ひとりじゃないんです。 

 

  読んでくださる、あなたにも、いつも、手を合わせて、感謝しております🙏

 

  読んでくださって、ありがとうございます😊

 

  素敵な夢を見つけてください。

 

  ただし、あなたは、すでに、最も素晴らしいものを、持っていますけどね😁