断層と平成関東大震災  | 天下泰平

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〜 滝沢泰平 公式ブログ 〜

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発生時刻:2013年1月28日 5時57分頃
震源地 :沖縄本島近海
最大震度:震度4
位置 :緯度 北緯 27.3度
経度 :東経 128.4度
震源 :マグニチュード M4.9
深さ :約50km

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発生時刻:2013年1月28日 3時41分頃
震源地 :茨城県北部
最大震度:震度5弱
位置 :緯度 北緯 36.6度
経度 :東経 140.6度
震源 :マグニチュード M4.9
深さ :約70km

2日前の真夜中から未明にかけてですが、M5.0近い中規模地震が茨城県北部と沖縄本島近海で発生しました。特に茨城県の地震は、震度5弱を記録し、これは今年に入ってから最大の震度となります。

茨城県北部でこれほど大きな揺れの地震は、2012年3月10日以来となりますが、一般的に茨城県の地震は首都直下型地震の前兆地震となる可能性が高いとも呼ばれており、今後の関東周辺の地震の行方が少し心配されています。

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※要注意の地震前兆ラインは、富士・御殿場・八王子・所沢・大宮・下妻・常陸大宮・北茨城・磐城沖ガス田まで

果たして、これが本当に首都直下型地震の前兆地震であるかといえば、公表された震源地のデータを見る限り、少し微妙なところではあります。

今回の茨城県北部の地震の震源地は、北緯36.6度の東経140.6度となっておりますが、これだと現在想定している首都直下型地震の前兆ポイント(富士・御殿場・八王子・所沢・大宮・下妻・常陸大宮・北茨城・磐城沖ガス田までのライン)よりも、ほんのわずかに右側にずれています。

この富士から磐城沖ガス田のラインは、以前よりお伝えしている「3つのライン」の最も危険な【一番北のライン】です。

このラインは「富士山の噴火」と直結しており、このライン上の各エリアで地震が多発してくると、いよいよ富士山の噴火が近づいている前兆となります。そして、最後の前兆は「御殿場」周辺エリアでの大地震であり、ここでマグニチュード8を超える地震が発生した場合は、かなりシビアなシナリオに進む可能性があります。

この御殿場周辺エリアの地震が、もしも富士山のマグマによる地下の「水蒸気爆発」が要因だった場合、その影響で先ほどの磐城沖ガス田にまで走るラインに大規模な亀裂が走る可能性があり、さらに、それが首都直下型地震へと連動します。

また、この地震エネルギーが再び御殿場へと戻って来るケースもあり、その場合には「プレートエネルギーの解放」である富士山の噴火を引き起こす可能性もります。

このシナリオの行く末だと、日本は「日本列島分断」という極めて大難のシナリオになりますが、これが起こる時は、恐らくポールシフトも同時に発生する見込みとなっていますので、世界中で大きな混乱が生じることになると思います。

ただ、ここまで具体的にわかっている1つの未来のシナリオなので、当然ながらそれを防ぐための動きもあります。先日の葉巻型母船もその一連のシナリオに関与しているのかもしれません…。

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※日本列島にある活断層

ところで、地震予知で有名な松原照子さんの本日の世見を見ると、何やら活断層の話題が出ています。

活断層が未だ出来ていない所で今後、大きな揺れが起きる。(1月30日「世見」)
地震が繰り返し発生する断層の事を活断層と云うのですネ。
今、不思議な世界の方に教えて戴くまで恥ずかしながら知らずに活断層って言っていました。
日本はこの活断層がビックリするくらいあります。
東北の三陸沖は数十年毎に来ているとか。南海トラフでは数百年毎に大から巨が付く地震が発生していますし、千島列島沖では140年とも云われています。
でも、この活断層。必ずやこの活断層で大地震が発生するとは云えないのだそうです。
活断層が未だ出来ていない所で今後、大きな揺れが起きるとも不思議な世界の方は話されておられます。
地球には地震の巣のような所があり、私達はその場所を活断層と云って、過去の調査をしていますが、活断層はすでにある断層です。
でも、東日本大地震の揺れで日本列島は大きく変貌のスタートを切ったようなのです。
長野県は少し沈み込み気味だとかお聞きしても心配だけが残りますが、知らなかったのですが滋賀 愛知 岐阜 福井って、小刻みに思えるくらい断層があり、琵琶湖の周辺はスタートを切ってもいいような時期に入っていると、今、聞こえたようなので早速地図を開けて揺れないでと触って見ましたが、今日は何も感じられませんでした。
「サン アンドレア断層」って、何なのですか。
こんな言葉を今キャッチしましたが、いつもながら意味不明です。
ごめんなさい。(「幸福への近道」より転載終了)

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※日本の主な活断層と、30年以内に地震が発生する確率

上記は日本の主な活断層と、30年以内に地震が発生する確率です。3%を超えると発生確率が「高い」部類に入るようです。

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埼玉県南西部から東京多摩地域に延びる「立川断層帯」は、首都圏の中でも有数のベッドタウンの上にあり、この断層が動いて大地震が発生した場合には大きな被害が出ることが新聞やニュースでも話題となっています。

しかし、この断層の活動周期は5,000年~15,000年と長く、30年以内に地震が起こる確率は2%と言われており、実際の危険度は「やや高い」の部類に入るようです。

とはいえ、地震はどんなに発生確率が低くとも、それが今日や明日に起こってもおかしくはない現象ですし、さらには、一昨年の東日本大震災で日本の断層は大きく影響を受けているので、今後は何かのきっかけで一気に日本中の断層が活発に動き出す可能性はあります。

<地震の発生確率の高い断層>
1.神奈川 神縄・国府津-松田断層帯(M7.5程度) 16%
2.静岡・長野・新潟 糸魚川-静岡構造線断層帯(M8程度) 14%
3.岐阜 境峠・神谷断層帯(M7.6程度) 13%
4.神奈川 三浦半島断層群 武山断層帯(M6.6以上) 11%
  静岡 富士山河口断層帯(M8程度) 11%
  岐阜・長野 阿寺断層帯(M6.9程度) 11%



25)
※関東大震災は、神奈川県相模湾北西沖80km(北緯35.1度、東経139.5度)を震源として発生したマグニチュード7.9の地震

1923年に起きた「関東大震災」は、名前が「東京大震災」ではなく「関東」とついているのは、東京だけが主に大被害を受けた単発の地震ではなく、1日の間に関東の13もの地域で大規模な地震が連続で起きていたからだそうです。

関東大震災は、まず小田原付近を震源として相模湾へ向けてプレート境界が大きく動いた後、それに誘発される形で、内陸の活断層が続けて動いたようです。つまり、まずはプレート境界地震による揺れが襲い、その直後に内陸断層型の地震による揺れが襲ったということになります。

今、首都直下型地震が何かと騒がれていますが、冒頭でも少しお伝えしたように、もしもプレートのせめぎ合いが開放される富士山がらみの大地震がこれから関東方面を襲った場合には、これは東京直下型の単発地震というより、再び1923年の関東大震災のようなプレート型地震と断層型地震の組合わせになる可能性があり、上記でご紹介した関東エリアの断層で次々に大地震が発生する可能性はあります。

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特に発生確率は低いですが、関東平野を横切るように走る「関東平野北西縁断層帯」なども要注意です。

この断層は、群馬県高崎市などを通って埼玉県伊奈町に至る約82キロの主部と、高崎市から埼玉県寄居町に延びる約23キロからなり、これは関東地方で最も長い活断層となっています。政府の地震調査によると、この断層は関東大震災のM7.9を上回るM8.0程度を起こす恐れがあるとも予想されています。

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他にも神奈川には、地震発生確率が最も高いと云われている「神縄・国府津-松田断層帯」やベスト4の「三浦半島断層帯」など複数の断層があるので、この断層近辺の方々も日頃より防災意識を強く持っておいた方がよいと思います。

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また、話を再び松原さんの世見に戻すと、本文の中に「琵琶湖の周辺はスタートを切ってもいいような時期に入っている」という言葉があります。

琵琶湖といえば、例のFMラジオ電波を使って地震予測をしている串田嘉男氏の「近畿圏地殻大型地震(琵琶湖大地震)」が最近話題となっていますが、最近の串田氏の予測(上記画像データ)によると、どうやら昨年12月末から今年1月上旬に発生するかもしれなかったという予測は大きく間違っていたようであり、今のところは4月末までは発生する可能性は極めて低いようです。

ただ、時期の予測は間違っていたものの、発生エリア(琵琶湖周辺)と発生規模(M7.8)の予測は変わらないということではありますので、今後も前兆現象が終息するのを注意して見守っていく必要があると思います。

最後に、本日の世見の最後に「サン アンドレア断層」とありますが、これは恐らくというか、間違いなくアメリカの西海岸沿いにある巨大な断層の「サンアンドレアス断層」のことを指していると思います。

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※約1,300kmもあるサンアンドレアス断層

サンアンドレアス断層は、アメリカの太平洋岸のカリフォルニア州南部から西部にかけて約1,300kmにわたって続く超巨大な断層であり、この断層は、ただの地震断層ではなく「トランスフォーム断層」と呼ばれるものです。

トランスフォーム断層とは、プレートとプレートの境界の断層のことであり、ここは「太平洋プレート」「北米プレート」のトランスフォーム断層となります。

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※サンアンドレアス断層の地震は反対側の日本への影響が強い

トランスフォーム断層で地震があった場合は、同じように境界になっている他の地域にも地震が発生する可能性が強まり、「太平洋プレート」「北米プレート」のトランスフォーム断層であるサンアンドレアス断層の地震というのは、東西で反対側にある日本への影響が非常に強いと云われています。

日本列島の周囲において「太平洋プレート」は、「日本海溝」「北米プレート」の下に沈み込んでおり、その先で「フィリピン海プレート」の下にさらに沈み込んでいます。

つまり、アメリカの西海岸で地震が多くなってくると日本の太平洋側のプレートの境界である「日本海溝」「南海トラフ」が要注意となります。

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※日本海溝

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※南海トラフ

もし、今後にサンアンドレアス断層上で大きな地震が発生するようになると、今度は日本側に大きな変動がやってくる可能性が高いと思われます。

東日本大震災や関東大震災の再来、そして南海トラフ大地震や富士山の噴火の動向においては、まずは今後のアメリカ西部の動きが重要になってくるかもしれません。