埼玉県の久喜市で救急搬送中の男性が、埼玉県内外の25医療機関から合計36回にわたって、救急受入を拒否され、通報から約3時間後に到着した茨城県の病院で死亡が確認された。
総務省消防庁によれば、救急医療機関が重症患者の受入を3回以上拒否した事例は、平成11年度で17,281回ある。
なぜ、このような事が発生するのだろうか。
今回、受入を拒否した医療機関の理由は、「医師不足のため対応が困難」「ベッドが満床」だという。
救急医療機関は、施設基準等により医療が提供出来る体制が確保されている必要がある。
しかし本来、重症者を受け入れる先である3次救急担当の医療機関であっても、「コンビニ受診」が横行しているのが現状である。
さらに、「モンスターペイシェント」や「医療訴訟」の問題もある。
理不尽で身勝手な要求を達成するために手段を選ばず暴言・暴行を行う「モンスターペイシェント」は医療機関にとって大きな負担となり、医療スタッフに大きな精神的苦痛を与える存在である。
また、最善の治療を行っても100%救命出来るとは限らない。治療結果に100%の満足を得る事も多くはない。医療機関や医療スタッフは、「医療訴訟」のリスクも抱えながら治療に当たらなければならない。
「医は仁術」と言われる。医療スタッフは常に“聖”を求められる。
確かにその通りであるが、実際に医療機関が存在するためには、経営的な視野や取り組みが必要不可欠であるし、リスクマネジメントを行う事により、リスクを回避する必要もある。
医療機関の抱える大きな矛盾がそこにはあるのではないだろうか。
○必要のない受診の抑制。
○医療スタッフが尊厳を保ちながら治療が行える環境づくり。
これらを、国や行政が主導して達成していく事が、今回のような悲劇を生む構造を正していくためには必要ではないだろうか。
医療機関や医療スタッフの努力だけでは限界が近づいている。
では、私たちは自己防衛のために何が出来るだろう。
まずは、“かかりつけ医”を持つべきである。
受診した事がない医療機関に受診する際には、氏名の確認から始まり、多くの受付書類が必要となる。“かかりつけ医”があれば、大きな医療機関で精密検査を受ける場合でも、“かかりつけ医”に紹介状を書いてもらう事により、受付も簡易となり、スムーズな受診が可能となる。治療においても、日頃の検査データ等が適切に提供される事により、スムーズな受診が可能となる。
「“かかりつけ医”がまだいない」という方は、ぜひ、“かかりつけ医”を見つけてください。
あなたと家族のために