私たちの社会がより良い方向へ進むためには、

「補助金があるから続けられる仕事」

「安い労働力がいるから成立する仕組み」

――そんな前提から、一度離れる必要があります。


どんな国でも、どんな産業でも、本当に持続するのは、

“そこで働く人が、自分の人生を大切にしながら続けられる環境” です。


労働者が日本人であれ外国人であれ、それは変わりません。

人は誰でも尊厳を持ち、同じように幸せを願い、

安心して働ける場所を求めています。


外国人を「安価な労働力」として扱う発想は、

その人の尊厳を奪うだけでなく、

同時に日本の未来からも大切なものを奪ってしまいます。


本来、外国の方々が日本に来る理由は、

技能を学び、知識を深め、経験を積むためです。

そして、その力を持ち帰り、母国を支え、発展させていくこと。

それこそが本当の国際協力であり、

長い目で見れば日本にとっても大きな財産になります。


「誰かを安く使って成り立つ産業」は、

結局のところ、どこかで限界を迎えます。

働く人が続かないからです。

日本人が長く働けない環境は、

外国人にとっても長く続けられる環境ではありません。


だからこそ、私たちは本気で考え直すべきなのです。

どうすれば、性別や国籍に関係なく、

誰もが「ここで働きたい」と思える職場をつくれるのか。

どうしたら、人が成長し、誇りを持てる仕事になるのか。


その答えのひとつが、

古い仕事の形を手放し、AIやロボットなどの新しい技術を積極的に取り入れることです。


海外ではすでに、

建設ロボット、介護ロボット、運搬ロボットなど、

現場で働く人の負担を減らす技術が広く使われています。

危険で厳しい仕事ほど、テクノロジーに置き換えていく。

人が「やらされる」仕事ではなく、

人が「能力を生かせる」仕事へと変えていく。


その発想こそが、これからの時代に必要です。


そして何よりも大切なのは、

働く一人ひとりが「大切にされている」と感じられる社会をつくることです。


補助金がなくても、外国人労働に依存しなくても、

しっかりと回る産業へと変えていくこと。

それは簡単な道ではありませんが、

長い目で見れば、社会を強く、しなやかにし、

次の世代が希望を持てる国へつながります。


私たちが未来のためにできること。

それは、「慣れ親しんだ当たり前」に寄りかかるのではなく、

発想を少しだけ変えること。

そして、

“働く人が幸せであることが、社会全体の幸せにつながる”

という、とてもシンプルな原点に立ち返ることです。


無理に誰かを犠牲にしなくても、

持続できる社会はきっとつくれます。

新しい技術も、人の知恵も、そして温かさも、

すべてがその土台になります。


より良い未来は、遠い場所にあるわけではありません。

環境を整え、働く人を大切にし、

互いの尊厳を守ることから、静かに始まっていきます。