人は生きていると、さまざまな役割を持ちます。

仕事をする自分。
家庭での自分。
社会の中での自分。

その役割を果たそうとするほど、本当の自分がどこか遠くへ行ってしまったように感じることがあります。

本当はもっと自由に笑っていたい。

本当はもっと素直に生きたい。

そんな気持ちがあるのに、現実は責任や立場があり、自分の思うままには生きられません。

だから、いつの間にか「役割を演じる自分」が、本当の自分よりも大きくなってしまうのです。

そして、心のどこかで苦しさを感じます。

「これが本当に自分なのだろうか。」

そんな問いを抱えながら生きている人は、決して少なくありません。

しかし、人は年齢を重ね、さまざまな経験を積む中で少しずつ変わっていきます。

外側の環境が変わることもあります。

物事の見方が変わることもあります。

すると、以前は自分を押し殺していたはずの時間が、自分らしさを表現する時間へと変わっていくことがあります。

大切なのは、何をしているかではありません。

どんな心でそれをしているかです。

同じ行動でも、その奥にある思いが変わるだけで、人生の意味は大きく変わります。

本当の自分になるということは、新しい自分を作ることではないのかもしれません。

もともと自分の中にあったものを、少しずつ思い出していくことなのかもしれません。

だから焦る必要はありません。

すぐにすべてが一致することもないでしょう。

役割を持つ自分と、本当の自分が完全に一つになる日が来るとは限りません。

それでも、その距離が少しずつ縮まっていくなら、それだけで人生は穏やかになっていきます。

私たちは誰かになるために生きているのではありません。

社会の役割を果たしながらも、自分の心に正直に生きる。

その積み重ねが、本当の自分へと帰っていく道なのだと思います。