私たちは、必要な情報だけを受け取るようにできています。
街を歩いていても、ネットを見ていても、実は膨大な情報が目や耳に入っています。
それでも、すべてを覚えている人はいません。
なぜなら、人の脳は「自分に関係がある」と判断したものしか、認識しないからです。
たとえば、こんなお店があったらいいな、と何気なく考えているとします。
すると、不思議なことに、今まで気づかなかったお店が急に目に入るようになります。
でもそれは、新しくできたわけではありません。
前からそこにあったのです。
自分が気にかけた瞬間、脳が「これは大事だ」と判断し、世界の見え方が変わっただけです。
同じことは、アプリや情報でも起こります。
こんな機能のアプリがないかな、と思っていると、誰かの何気ない一言や、SNSの投稿、広告の一文が、急に意味を持って飛び込んできます。
それまで見えていなかったものが、突然つながり始めるのです。
逆に、気にかけていないことは、どれだけ近くにあっても入ってきません。
聞こえていても、見えていても、認識されない。
これは怠けているからでも、感度が低いからでもありません。
人として、ごく自然な仕組みです。
人の脳は、すべての情報を処理できるようにはできていません。
だからこそ、「今の自分に必要なものだけ」を選び取るように働いています。
つまり、自分の元に入ってくる情報は、偶然ではありません。
それは、自分が日頃から何を気にかけているか、その結果です。
そう考えると、こう言い換えることができます。
自分に必要な情報とは、自分が気にかけていることそのものだ、と。
そして、気にかけていないことは、今の自分には必要ない。
それくらい、割り切っていいのだと思います。
多くの人は、
知らなければならない、
追いつかなければならない、
取り残されるのが怖い、
そんな不安から、すべての情報を抱え込もうとします。
でも、本当に必要な情報は、必要になったときにしか意味を持ちません。
必要になった瞬間、人は自然とアンテナを張り始めます。
そしてそのとき、情報は不思議なほど自然に入ってきます。
情報が向こうからやってくるように感じるのは、
世界が変わったからではありません。
自分の関心が変わったからです。
人生で出会う情報は、その人の関心の積み重ねです。
何を大切に思い、何を気にかけ、何を追わないと決めるか。
その選択が、その人の人生の輪郭をつくっていきます。
だから、無理にすべてを追わなくていい。
今、心が向いていないものは、今は必要ない。
必要になったとき、きっと自然と気にかけるようになります。
それは、自分の感覚と人生を信頼するということです。
そしてその信頼が、次の一歩を、静かに導いてくれます。
