人は誰しも、最初は“おかしいな”という感覚を持っています。

それは心の中にある小さな警鐘であり、誠実さの証でもあります。

けれど、同じ環境の中に長くいると、不思議なことにその感覚は少しずつ鈍っていきます。

最初に違和感を覚えたことも、いつの間にか「こんなものだ」と思うようになる。

それが、いちばん怖いことです。


感覚が麻痺すると、何が正しいのかがわからなくなります。

自分を守るために、心が合理化を始めてしまうのです。

「みんながやっているから」「上がそう言ったから」「これが普通だから」——

そうやって、自分の本当の感覚を少しずつ手放していく。

でも、それは心の光を少しずつ失っていくことでもあります。


だからこそ、大切なのは“外から見る視点”を持ち続けることです。

自分の立っている場所を、少し離れたところから見つめてみる。

それだけで、見えなかったものが見えてきます。

慣れや惰性の中で埋もれた小さな違和感が、再び息を吹き返します。


違和感とは、あなたの中の「真実を見抜く力」です。

その感覚を失わずにいるために、私たちは常に磨き続ける必要があります。

本を読み、違う世界に触れ、他者の言葉に耳を傾ける。

新しい刺激を受け、常識を疑い、自分の心を点検する。

そうしてこそ、人は成長し続けられます。


組織の中であれ、社会の中であれ、

自分の感覚を信じ、客観的に見る力を持つ人は貴重です。

そういう人がいるだけで、空気は変わります。

新しい風が吹き、閉じた世界に少し光が差すのです。


感覚を失わないということは、反発することではありません。

磨き続けることです。

人の意見を聞きながらも、自分の軸を見失わないこと。

周囲に流されず、心の中の「おかしいな」を大切にすること。


私たちは、外の世界を見るための目と、

内なる良心を感じるための心のセンサー、

その両方を持っています。

どちらかを閉ざしてしまえば、

人も組織も、ゆっくりと崩れていきます。


だからこそ、どうか思い出してください。

あなたの中にある“感覚”は、間違いを見抜く力です。

それを守ることは、自分を守ることでもあり、

周りをより良い方向へ導くことにもつながります。


感覚を失わない人がいる限り、社会はまだ希望を持てます。

その希望を絶やさないために、

どうか自分の感性を大切にしてください。

慣れの中で眠らせず、磨き続けてください。


きっと、あなたのその感覚が、

誰かの目を覚ます光になるはずです。