PUPSのブログ ~子犬の社会化・育て方~ -101ページ目

人を咬む犬と暮らすこと。その3

チカを引き取ることに決めました。

大きな、人を咬む犬と暮らすことになったというプレッシャーは、すぐには実感として沸いてきませんでした。チカはもともと人好きの明るい犬で、その印象が強くあったからかもしれません。


私の家に来てから数日、チカはまったく穏やかでした。環境ががらりと変化したことにも、大きな影響は受けていないようで、よく食べ、よく遊びました。その人懐こい、ひょうきんな姿からは、人を病院送りにするような攻撃的な姿は想像ができませんでした。


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1、2週間もすると、チカは私の家にも、私の生活ペースにもすっかり慣れたようでした。私は、チカが環境に慣れたのを見計らって、トレーニングを始めました。当時、「犬の行動の全てを抑えようとする訓練」に疑問を持ち始めていた私は、最低限の共同生活でのルールだけを彼に教えておこうと思っていました。しかし、トレーニングを始めてすぐ、チカが抱えている「問題」が見えてきました。


私が教えようと思った「最低限必要なこと」とは、


・指示でハウスに入ること

・リードをつけさせること

・体を触らせること(足を拭く、耳を拭く)

・マテ


しかし、結局、これらを教えることはできませんでした。

チカが覚えない、ということではないのです。チカに何かをさせようとしただけで、牙をむいて咬みついてくるのです。

当時の私のトレーニングは「強制訓練」だったので、犬に何かをさせる時には強い口調で指示を与えるようなやり方でした。チカは、この「強い口調」を聞くと、「咬み犬」のスイッチが入りました。

当然、指示に従わなかった時の「注意」にも、牙をむきました。

ルールを教える、以前の問題です。「指示」にチカは耐えられないのです。「そんなことやりたくない」と反抗しているのではなく、私の「強い口調」で、反射的に咬み犬のスイッチが入るのです。


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情けないことに、チカを引き取ってから数ヶ月で、私は4回ほど咬まれました。正直な感想を言えば、大型の犬に咬まれることは本当に本当に恐ろしいです。そして当たり前だけど、物凄く痛い。

腕に不名誉な4箇所の傷を負った末、チカの咬み犬スイッチが入る「きっかけ」が他にもいくつかあることが分かりました。


・臭いをかいでいる時に私が近づくこと

・足先、耳、首、胸を触ること。体を引き寄せること。

・チカの横に私が近づいて座ること(私の横にチカを寄せて座らせることは平気)

・行き止まりの場所でチカに近づくこと

・チカのそばで金属音を鳴らすこと

・リードを強く引くこと

・食餌の直後にハウスの扉を開けること

・連続していた私の動きが急に止まったとき(例えば、PCを打っていて、一瞬打ち込みが止まったとき)


これらのきっかけでチカにスイッチが入ります。目の色が変わり、まさに「気がふれた」状態になります。

スイッチが入ることを防ぐために指示をかけることもできません。指示されること自体がスイッチのきっかけだから。もちろん、スイッチが入ったチカを指示で落ち着かせることもできません。


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絶望的な気持ちになりました。

今まで使ってきた方法はこの犬には使えない。一体、どうやってコントロールしたらよいのだろう・・・

どうしてスイッチが入ってしまうのだろう・・・


何もかも分からない暗澹としたアタマの中で、一つだけはっきりしたのは、チカが咬みつくのは単純に「気に入らないから」ではないということでした。咬みの根底には「不安」と「恐怖」がある。牙をむきながら、「怖い、怖い」と言っている、気がする。この犬に、今までの方法を使ったらきっと壊れてしまう、そう思いました。


今までのトレーニング方法について疑問を感じスランプに陥っていた私は、チカをきっかけに、初めて真剣に犬の声に耳を傾けました。

犬に命令するのではなく、犬と会話してみよう、犬の言い分を聞いてみようと思いました。


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で、実際どんなことをやったの?は次回へ続きます~→→


人を咬む犬と暮らすこと。その2

チカを迎えるより以前、私は今とは違う方法でトレーニングを行っていました。


私がトレーニング方法を習得したのは、警察犬訓練所でした。訓練所では、住み込みで365日24時間の勤務体制でした。厳密に言えば、月に2日だけ、朝から夜までの休息日がありましたが。そこで、所員と犬と、寝食を共にして働きながら技術を身につけていきました。勤務というよりは弟子入りに近い生活でした。


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訓練所を退所後、念願の「犬の訓練士さん」として仕事を始めました。

手書きのチラシを配り、動物病院に履歴書を持って営業に行き、夢中で動き回るうちに、有りがたいことにたくさんのお客さんがついてくれました。多いときには一日10件近いトレーニングの依頼を受けました。全て終わって家に着くと、着替えることも食事することも出来ずに、ばったり倒れてそのまま寝てしまうこともありました。


トレーニング業は順調に軌道に乗りました。

病院でのしつけ教室も始まり、担当する犬の数もどんどん増えました。

有りがたいことでした。でも、そうした日々の中である日、

ふっと、ぼんやりした壁にぶつかったのです。

接する犬、飼い主さんの数が増えれば増えるほど、

その壁は厚みと硬さを増して、はっきりした壁として

目の前に立ちふさがるようになりました。


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私が訓練所で習得した訓練方法は、いわゆる「強制訓練」と言われる方法でした。人からの指示に対して、どんな状況であっても、最優先で従うように教えていきます。逆に言えば、人の指示以外の行動を勝手にとらないように教えるのです。人は犬の全てをコントロールして、犬の注意が自分以外に向かないように絶えず指示を与えていきます。

犬が指示に従えば褒めますが、指示に従わなければチョークチェーンを通して注意が与えられました。


私が訓練士を目指した17年前、訓練技術を習得するには訓練所に入所するのが一般的であり、訓練所ではどこもこの「強制訓練」が主流でした。

当然、個人で仕事を始めてからも、私はこの方法が当たり前で、他を考えたことがありませんでした。


しかし、何頭も何頭もトレーニングするうちに、

「犬をトレーニングすること」そのものに、釈然としないものを感じるようになりました。そして、犬をトレーニングするたびにその気持ちが壁となって、自信を持って犬に接することが出来なくなってしまったのです。



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トレーニングで依頼される内容は多岐にわたりました。

しかし、そのほとんどが、

「自分の犬を思う通りにコントロールしたい」という趣旨のものでした。


「吠えるのをやめさせたい」

「散歩で引っ張るのをやめさせたい」

「物をかじるのをやめさせたい」

「大人しくさせたい」


依頼を受ければ、犬が飼い主の希望通りに行動するように教えなくてはいけません。

「吠えてはいけない」「引っ張ってはいけない」「かじってはいけない」「大人しくしていなさい」・・・・

指示に従わなければ、強く注意を与える・・・。

そうしているうちに、とても疑問に思うようなったのです。


なぜ、犬を飼っているんだろう・・・・


吠えるのも、走るのも、かじるのも、犬の自然な行動のはずです。

それを全部やらずに、ただ大人しくしていろ、と言うのは、

犬の犬らしさを全て消してくれ、ということになるのではないのか・・・


そんな思いがどんどん大きくなりました。

それにつれて、毎日トレーニングをこなすのが苦痛になっていきました。


チカが私のところに来たのは、そんなスランプ真っ只中の時でした。


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                 続きます~。→→→→→→ 


19日は上野に集合~!

あっという間に9月ですね。
朝と夜はすっかり涼しくなりました。お月見


ワンちゃんのお散歩も快適な季節になりましたね・・・
気候もよくなったから、ワンちゃんと一緒におでかけ!なんて
計画を立てている方もいるのではないでしょうか?


毎年9月20日~26日動物愛護週間です。わんわんにゃーブタウサギ

動物も人が幸せに暮らしていくために

命の大切さを考える期間です。

全国の自治体で楽しいイベントやためになるセミナーが開催されますので、
ぜひお住まいの自治体をチェックしてみてくださいね。



上野恩賜公園パンダ動物愛護週間の中央行事

動物愛護ふれあいフェスティバル」が
開催されます。

そこのブースエリアに、

PUPSの運営会社「アルプ株式会社」が出展することになりました。

もちろん!PUPSコーナーもありますよ♪

仔犬の相談(無料)コーナーがあるので、

ぜひお気軽にご相談ください。
まちがい探しゲーム」や「クイズ大会」などイベントもやりますビックリマーク
ぜひ遊びに来てくださいね


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このブログをご覧になった方は、アルプブースで
「ブログを見ました!」とお伝え下さい。
とってもステキなプレゼントを差し上げますプレゼント

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お会いできるのを楽しみにしていますラブラブ!



「動物愛護ふれあいフェスティバル」
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/week/h21.html
9月19日(土)11:00-16:00
上野恩賜公園 噴水池前広場