日本の方に

「盲導犬パピーを育てた」と言うと

 

「もう二度と会えないのでしょう?」と言われました。

 

 

GDB(Guide Dogs for the Blind)では必ずしも

二度と会えないと言う事はありません。

現に私はRecall後、Loloと卒業式で会う事が出来ました。

 

 

 

ユーザーさん次第では、

今後も会うチャンスがあります。

 

Loloのお祖父ちゃん犬Kingstonの初めてのパピーGuardinan

キャリアチェンジして今は低血糖アラート犬として働いています。

RaiserのTさんは他州にいるGuardianに会いに行くと言っていました。

 

私もLoloとまた会えるチャンスがありそうです♪

 

このようにGDBでは

ユーザーさんとの交流を止めたりせず

むしろユーザーさんにPuppy Raiserに感謝するようにお話しているようですし、

連絡先もユーザーが拒否しない限り教えてくれます。

先日、盲導犬協会からのメールで

ユーザーさんの住所が知らされました。

 

卒業式では、

盲導犬協会とユーザーさんから何度もお礼を言われました。

 

これは、私が思っている事なのですが

生きていく上で大切なものは

  自尊心

を持つ事だと思っています。

自尊心があれば自分を信じる事が出来

迷いや嫉妬や不信などがなくなっていくと思うのです。

その自尊心を強くする一つが

  己の存在価値の認識

 

この卒業式はその己の存在価値を

自他共に認めさせてくれるものでした。

 

「盲導犬パピーを育てている」と言うと

「大変でしょう?」と言われた事も何度もありました。

でも大変と思った事はありません。

「好きな事だから」と答えていました。

 

ボランティアとは見返りを期待せずにする事です。

ですが

周りからその行為を評価されたり感謝されると

やはり嬉しいものですし

己の存在価値を認識し自尊心も強くなります。

 

クラブリーダーさんがウィークリーレポート

「Brinker and Lolo’s graduation was wonderful!  」

(BrinkerとLoloの卒業式はとても素晴らしかった!)と言った後、

 

「It reaffirms why we do this and how we can say goodbye.  」

 

これをどう訳しますか?

直訳すると

「なぜこのようなことをするのか、

そしてどのように別れを告げることができるのかを再確認させてくれた。」

 

一緒に卒業式に参加した私は、

「何の見返りもないボランティア活動、

最後には盲導犬協会に返さなくてはいけないと言う辛い事が待っている。

そんな無駄とも思えるような事を何故するのか?

そして、その辛い別れを耐え忍びながら活動を続ける意義を

この卒業式は再確認させてくれた」と解釈しました。

 

リーダーさんがこの活動を始めたのは

お嬢さんのJさんが中学生のプログラムで始めた1997年だったそうです。

30年近く続けた重みのある言葉です。

 

ユーザーが

盲導犬と歩くことでどんなに生活が助かっているか

そして

私達、Raiserに感謝してくれるのを見聞きすると

パピーを手放す辛さはあれど

 

  もう一頭、育てるぞ!

 

という気にさせてくれます。

 

もし、まだアメリカに住み続けていたら

確実にまた盲導犬パピーを育てていたと思います。

 

この卒業式は

そんな盲導犬協会のPuppy Raiserに対する意図も感じられました。

 

そんな貴重な体験をさせてくれた

GDBの皆さん、クラブの皆さん、そしてユーザーさん

更にトレーニングを頑張ったLoloに感謝です。