逃げ道を与えてやる、避けることの大切さ1:気になる犬猫行動学1 | ☆中野あや・動物行動クリニックなかの☆問題行動は獣医行動診療科認定医のいる犬猫の心療内科へ☆犬猫子どもとの暮らし応援@兵庫/神戸

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犬猫の心療内科:動物行動学を学び問題行動の診療をおこなう動物行動診療科の獣医師がおくるブログです☆主要テーマ:ペットの問題行動・犬猫との暮らしに役立つ話・犬猫のいる育児・発達障害を考える☆犬猫と子供のいる家庭・ママ応援します☆

こんにちは、相変わらず、週に1度程度しかPCに向かう暇のない暮らしをしていますが、最近気になっている話題を少しずつつづっていってみようかと思いますので、お付き合いくださいわんわん

 

さて、第一回は、「逃げることの大切さ」についてです。

あたかも連載のふうを装っていますが、これまでのブログからもわかる通り無事に続くかはわかりません(苦笑)あせる が、ひとつお付き合いくださいねビックリマーク

 

さて、あなたは自分と暮らす動物たちにちゃんと逃げ道・逃げ場所を与えていますか?

 

日々ペットの攻撃行動(威嚇する・咬む等)に向き合っていて、逃げ道がなかったために攻撃がどんどん進んでしまった(頻度と程度が増加した)なぁ、というケースは本当に多いです。

 

動物の攻撃行動は基本的に以下のように現れます。

 

不安・恐怖(不快)を感じる雷

 下矢印

逃げる・避ける 右矢印成功:攻撃しない合格

 下矢印 (避けることができない)

威嚇する:「ウー」などうなり声や表情によるもの

 下矢印 (威嚇しても恐怖・不快を取り除けない)

強い威嚇をする:牙を見せる、当て咬みなど

 下矢印

咬む!

 

攻撃行動は育っていくものであり、病気や強い痛みなどに関連しているのでなければ、「突然 犬が本気で咬むようになる」ということは極めてマレです。

では、攻撃行動の出る子にどうしてあげれば良かったのかというと…、

日常の場面になんらかの不安や恐怖を感じて「威嚇」が生じてている場合、まず逃げ道や逃げ場所を与えてあげましょう

 

例えば、

足を拭こうとすると「ウー」と鼻にしわを寄せる = 足拭きは不快だからやめてほしいという犬からのメッセージ

 

もしこれが、犬ではなく人間の大人だったら、あなたはどうしますか?

相手は明らかに「やめてよ!」と言っている場合。

それ以上 無理やり押し通したりはあまりしませんよね。

 

動物にとって「威嚇」は、「なんとか穏便にこの場は引いててくれませんかね」のボディランゲージでもあるんです。

「やめてくれれば、逃がしてもらえればそれ以上は何もしませんから

と言ってくれている。

 

せっかく言ってくれているのに、人間の都合で動物が不快に感じることを無理やりしてしまっているために、次の段階へと進んで行ってしまうのです。

 

動物に威嚇が出たとき、それでもその子に日常的にしなければならないことであれば、威嚇が出ないぐらい小さな刺激から練習することが必要です。

威嚇しているのに「やり続ければ慣れてくれるはず」「慣らすためにさらに頻度を増す」というのは実は大間違いな考え方になりますので、まずは一つ心に留めておいてくださいねしっぽフリフリ

 

ではどうやったら「慣らす」ことができるのか!!?

など、引き続き「逃げる/避ける」をテーマに書いてみたいと思っていますので、どうぞお楽しみに三毛猫