風待ちの人 伊吹有喜(著)


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“心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。

哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。

疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。
喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。

少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。

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四十九のレシピ著者 伊吹有喜さんの1作目。


2作目に続き、1作目を読んで思ったことは、、、

「やっぱり女が怖い」

でした(笑



独特の雰囲気ですね。

無味無臭の秋風といった味わいの文体。

さっぱりとしていて、ストンと落ちてくる。


私の印象はそんな感じ。




またこの人の作品を読んでみたい。 はっきり言って好みです。






作品の内容は、駆け引きのない40(アラフォー)の男女の物語。

ドロドロしていなくて、綺麗。


というのは、作品中の空気感。



色の入ったガラスのグラスから零れる光みたいにすんでいて、レモンチェッロを飲みたくなりました。




四十九日のレシピ 伊吹有喜(著)


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熱田家の母・乙美が亡くなった。

気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。

乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。

彼女は、乙美が作っていたある「レシピ」の存在を良平に伝えにきたのだった。

家族を包むあたたかな奇跡に涙があふれる感動の物語。

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3ヶ月くらい読むかどうか考えていたもの。


うん。読んでよかった。

著者の伊吹さんはこれが2作目なのだそう。

これは、早く1作目を読んでみようと思います。


家族といえど、やっぱり個々の一人で立つ人間同士。

ちょっとの遠慮が積み重なったり無遠慮になったり、そういった些細なところから綻びたり弱くなったりする”悩み”に心当たりがある。


他にも、登場する女性を見ていると、同じ女性として怖くなる。



なんだかいろいろ考えてしまった・・・


阪急電車  有川浩(著)


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電車は、人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく―

片道わずか15分。


そのとき、物語が動き出す。

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今度、映画化されるそうで。

私的には物足りなかった感があります。


絡み合う人生模様もいいけれど、人間それぞれ人生十色。

彼・彼女らの人生を、もう少し深く見てみたいです。




そんな風に思いました。