今日ね、桜餅を作ってきました!
作りたてのやわらか桜餅…美味しかったぁ
息子はその間、保育園でひのき屋のライブを楽しんでいたようです。
それでは、今夜もお送りします。
【in the Dark】第20話です。
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#20 就職&遠恋、スタート。
『えっ、マジで…?』
公務員試験が終わり、私は、めでたく地元の函館で勤務先が決まり、4月から就職することになりました。
ただ、彼氏が、同じく4月から、札幌に就職することになっちゃった。
お互い、もう採用が内定していましたが、別れたくない気持ちは一緒だったので、やむなく遠距離恋愛に突入することに。
いつも一緒にいた彼氏が、目の届かない場所に行ってしまうことは、やはり不安でした。
だけど、きっと何とかなる、彼氏も大丈夫って言ってくれたから…と信じるしかなくて。
涙で彼氏を見送りました。
だけど、実際、4月に就職した途端、初日から職場の雰囲気に圧倒されてしまい、遠距離恋愛の不安よりも『ここで働いていけるかな?』という不安の方が大きくなりました。
なんせ、職場を見渡す限り、おじさんだらけ。
女性もいるんだけど、みんな私の母の方が歳が近いくらいで、若い人がほとんど見当たらない。
仕事で使うインクと、お局様たちの甘ったるい香水と、おじさまたちの加齢臭が混ざった空気の中で、私は一人、戸惑いを隠せずに固まっていました。
今までのバイトは何とかうまくやってきたけど、ここは、何かが根本的に違う。
笑って許してもらえる雰囲気じゃない。
…って、そりゃそうです。
過去のバイト先はすべて接客業でしたし、何よりバイトの立場で、お気楽なものでした。
で、私の就職先は、お堅いお役所。
接客もあるけど、メインの仕事は事務。
かわいらしい笑顔など、ここでの仕事には、ほとんど必要なかったんです。
『ヤバいとこに入っちゃった…』
彼氏と電話中に、ガンガン弱音を吐く私。
彼氏の勤務先の都合で、電話は週末しかかけられないという決まりがあり、当時はお互いまだ携帯電話を持っておらず、話せるのが日曜日くらい。
ただでさえ遠距離恋愛だというのに、さらにハードルが高い状況でした。
『でもね、来月、研修でそっち行くよ!そのとき、絶対会おうね!』
採用当時の救いといえば、新任研修で3週間札幌に行くのが決まっていたことくらい。
2ヶ月ぶりに彼氏に会えるのだけを楽しみに、毎日何とか出勤し、職場の人の顔と名前、それから仕事を覚えようと奮闘していました。
ちなみに、この頃まだ実家に住んでいましたが、私が無事に就職できたからか、親も安心したようで、特に感情的にぶつかることもなく、過ごしやすかったんです。
いろいろあったとはいえ、帰ればごはんが出てきて、寝る部屋もあり、仕事で大変なことを話せる相手がいることは、ありがたいと思いました。
もちろん、一人暮らしもしてみたかったけど、この頃はまだ、今じゃないなって感じていました。
なんだかんだで2ヶ月が過ぎ、職場にはいまいちうまく馴染めないまま、いよいよ、札幌での3週間の研修生活がスタートすることになります。
そして、ここで、私にとって今でも大切で、運命を大きく変えた出会いが訪れるのです…
〜第21話につづく〜