札幌は雪まつり真っただ中。中国や他からの観光客も、人の波も苦手な方なので、なるべく出かけないようにしたいところだったが、そろそろ月一の散髪の時期。仕方ないので昨日はバスでいそいそと大通まで。バスを降りると目の前は雪まつりの4丁目会場。とりあえず雪像の少し手前まで行き写真をパシャッ。
今年も雪まつり会場に来たという証跡を残して地下鉄大通駅改札前の床屋へ向かう。この日の担当はどう見ても年下にしか見えない音楽好きの70歳の方。いつもスカルリングをはめている自分を見ては、いつかこの人の髪を切ってパンク仕様にセットしてあげたかったと、最初に担当してくれた時に小声で話してくれた。この店は常時4~5人の理容師がいるので、担当してくれるまでにまぁまぁの月日はかかったけど。
髪を切ってすっきりした後は、せっかく街に来たのだからと、いつものロックショップを覗いてCDを三枚を買った後は、観光客だらけの狸小路を歩いていつもの居酒屋へ。雪まつり期間中ということもあってか、真昼間から大声で騒ぐ酔客がいたり外国人観光客もチラホラ。店員さんもバタバタしている。とりあえず小一時間で瓶ビール1本に冷酒のモッキリ2杯を飲んで店を出た後、信号を渡ってすぐのレコード屋の店頭ワゴンでブロンディのシングル1枚を100円で買って、酔い覚ましに徒歩で家へ帰る。というどうでもいい話は横に置いといて、今週もぼちぼち始めるとしましょうか。
冬になると聴きたくなるアルバムといえば、とうの昔に解散してしまったBe Modernのデビューアルバム「BOYS BE MODERN」が真っ先に頭に浮かぶ。
冬になると雪で閉ざされ、凍える寒さの日々が続く彼らの出身地俱知安町。この街での日々が歌われる彼らのアルバムを聴きたくなるのは、彼らと同じ時代を同じ街で過ごした自分にとっては必然といえば必然か。ブログを始めた頃、そんな思いと彼らとの出会いを綴ったこともあったっけ。
そんな彼らの2枚目のアルバムが「Heart of the Country」。ジャケット写真がそうさせるのか、こちらはどちらかというと秋に聴きたくなる感じかも。
アルバムタイトルが示すように相変わらず故郷への強い思いが感じられるBe Modernらしい作品に仕上がっているのは、全曲の作詞作曲をボーカルの天坂晃英が担当していることに依るところが大きいのだろう。
生まれた街を飛び出してもなお、故郷への思いは募るばかりとも受け取れるような歌が多いところは、生まれた街での日々を歌ったデビューアルバムと少しだけ違う印象か。
サウンドの方は、前年にリリースされたザ・モッズのBLUEに影響を受けたようにも受け取れるのは、オープニングアクトを務めたり、同じレコード会社だったりとモッズのメンバーとの繋がりを考えればあり得ることかも。
このアルバムの後は徐々にベースの八熊慎一による曲も増えていき、当初の青臭ささも影を潜めていくにつれ、バンドのイニシアチブは天坂から他のメンバーたちに移っていき、バンド解散、天坂を除いたメンバーでスパークス・ゴー・ゴーを結成という流れになったのは、初期のBe Modernの世界観に強く惹かれていた自分には寂しいところだが、バンドを長く続けていけばいろいろあるのは致し方のないことで、それでも彼らの作品はこうして35年近く経った今でも聴くことができるわけで、それだけでも充分だろう。
その後、天坂はTHE STANDSというバンドを結成し、キャプテン・レコードからアルバムをリリース、ザ・モッズのREBELというアルバムにもSPECIAL THANKSとして名が刻まれていたが、いつの間にかロック界隈から消えていってしまった。
その昔、倶知安のパチンコ屋で偶然顔を合わせた時のように、またどこかで顔を合わせるようなことがあれば、倶知安の町のことや、好きなロックの話を時間を忘れるくらいに話せたりするのではないかななんて勝手に想像してみたり。って、彼が自分のことを知っているわけではないので、ただの戯言ですが。まぁ、そう思えるくらいに、天坂晃英が創り上げた初期Be Modernの青臭い世界観を60歳を過ぎた今でも引きずっている自分も充分すぎるほどに青臭い奴だってことで。
そういえば、倶知安に住んでいた頃に通っていた駅前通りの床屋の親父さんが「Be Modernのメンバー(誰だったか忘れたけど)にギターを教えたのはうちの息子なんだ」とよく自慢していたけど、あれって本当のことだったのかなぁ。
今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。