ロックバンドに必要な楽器といえば、ギター、ドラムにベース。極まれにベースレスのバンドがいたりもするが、大概の場合、最低限この3つの楽器さえあればロックバンドは始められる。
その中でも花形の楽器はやはりギターで、ロックにハマった少年少女が楽器を始めるとなれば、その大方はギターをまず選ぶだろうし、今ではベースばかりの自分も最初の楽器はギターだった。
ロック雑誌を捲れば大概はギターやギタリストに脚光が当たっていて、表紙もほとんどがボーカリストかギタリスト、ドラマーやベーシストが表紙を飾るなんてことは滅多にない。例外といえばポール・マッカートニーくらいなものか。
そんなもんだから、長い間、ベースの名演なんてことに焦点を当てた特集はほぼ目にしたことはなく、2016年にロッキンオンが「ベースの名曲100選」って特集を組んだのが、自分の中では初めてだった。
ただ、この時もトップの特集ではなく、表紙でもあまり大きく扱われていなかったが、それでもベース好きには堪らない特集ってことで、貪るように読ませてもらいましたが。
そんな中、昨年2022年1月にレコード・コレクターズ2月号で突然の「この曲のベースを聴け!」ってな特集で60~80年代のロック・ポップス・ソウル・ファンクの曲の中から選りすぐりのベースの名曲101曲が紹介されることに。
さすがに偏った自分のコレクションの中にある曲は101曲中、以下の10曲だけで1割にも満たず、自分の不勉強さを思い知った感じ。
RAIN/THE BEATLES
SOMETHING/THE BEATLES
ONE OF THESE NIGHTS/EAGLES
PHANTOM OF THE OPERA/IRON MAIDEN
CANTON/JAPAN
WALKING ON THE MOON/THE POLICE
MISS YOU/THE ROLLING STONES
SWEDEN/THE STRANGLERS
MY GENERATION/THE WHO
THE REAL ME/THE WHO
↓偏り具合はこんな感じ
それでも101選の中から普段は聴かないマーヴィン・ゲイや、タワー・オブ・ザ・パワー、シックetc多くの名演をサブスクで聴くことができたのだから良しとしなければ。
その一年後、レコード・コレクターズ2023年2月号で再びの「この曲のベースを聴け!」
この時は自分のコレクションにあった曲はさらに少なく101曲中、以下の7曲だけという不勉強さにもほどがある結果に・・・。
TAXMAN/THE BEATLES
I AM THE WALRUS/THE BEATLES
DETROIT ROCK CITY/KISS
THE LEMON SONG/LED ZEPPELIN
DA YA THINK I’M SEXY?/ROD STEWART
MY GIRL/THE TEMPTATIONS
WON’T GET FOOLED AGAIN/THE WHO
この時はバンド名アーティスト名すら聞いたことがないものも多く、またまたサブスクでいろいろ聴いてみるきっかけに。
で、ここにきて遂に!というかまさか、まさかの「この曲のベースを聴け!日本編」が!
邦楽ロック好きの自分としてはここで汚名返上!今度こそはそれなりに自分のコレクションの中の多くの曲が・・・と思いきや、101曲中たったの14曲(以下参照)で、やっとで1割を超えたってとこ。
よォーこそ/RCサクセション
東京ワッショイ/遠藤賢司
ファンキー・モンキー・ベイビー/キャロル
MONKEY MAGIC/ゴダイゴ
レモンティ/SHEENA & THE ROKKETS
銃をとれ!/頭脳警察
うめたて/ZELDA
港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
WALKING MAN/BOOWY
BLUE LAGOON/高中正義
花嫁/はしだのりひことクライマックス
CRAZY DREAM/FRICTION
T.V.MAGIC/LIZARD
C.M.C/THE ROOSTERS
リザードのワカ、ルースターズの井上富雄、ゼルダの小嶋さちほ、フリクションのレック、ボウイの松井常松の名演が評価されているのが個人的には嬉しい反面、ARBのサンジ、モッズの北里晃一辺りが登場しないのは残念ではあるが、この手のモノに登場しないのは毎度のことだしと納得してみたり・・・。
この日本編では、歌謡曲やGSなんかから多くの曲が選ばれていたのが意外といえば意外だったのだが、そんな中、たまたま昨日、週末ルーチンで寄ったいつものロックショップに、この特集で大きく扱われていたキャンディーズの「春一番」のシングルレコードが!
なぜにこんなところに「春一番」が・・・というのは置いといて、迷わず購入。家に帰って聴いてみてびっくり。3人の爽やかな歌声のバックで聴くことができるサウンドはロックそのもの!
ギターは水谷公生、ドラムは田中清司、そしてベースは武部秀明だそう。3名とも名高いスタジオミュージシャンで、ギターの水谷氏とベースの武部氏はその昔、アダムスというGSバンドで第2のタイガースとも言われていたとか。
それにしても当時の歌謡曲、侮れませんね。
これはこの特集でベースの名曲と評された和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた/ベース:寺川正興」、松田聖子の「いちご畑でつかまえて/ベース:長岡道夫」、中森明菜の「BABYLON/ベース:渡辺守朗」なんかも見つけたら買いかなー、その前にやっぱりサブスクでかなー、なんて思ってみたり。
ベース好きという割には不勉強さを痛感するばかりの「この曲のベースを聴け!」ではありましたが、普段聴くことのないタイプの楽曲に出会えたことは自分的には大きな収穫。
それにしてもこの手の特集、レコード・コレクターズの前にベースの専門誌ベース・マガジンなんかでやってて良さそうなもんなんだけどなぁ、と思わないでもないが、毎月1テーマに特化して掘り下げることに転換したことで読み応えが増したギター・マガジンに比べて、最近のベース・マガジンは読んでてもなんだかなーって感じで買うこともなくなったし・・・。
まぁ、少しは期待して待つことにしましょうか。
昨日は春一番の他、シナロケのLPとロックなモノもしっかり手に入れたけど、実はブックオフでなぜか目についた「87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし」って書籍が妙に今の自分にピタッとハマったりなんかして、なんとなくゆるりとした週末の時間を過ごしているのでありました。
今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。