こんなことってあるんだろうか。

一週間ほど前に代わりの引っ越し作業を終えたばかり。これで彼の治療に向けての整理が一区切りついたと思った矢先にまさかの訃報。

会社に向かう途上で連絡を受けた時にはにわかに信じられなかった。何が起きたのか頭の中の整理ができないでいた。


だって、病気がわかってからまだ3か月も経っていないし、治療のために単身赴任を解消して家族のいる東京に戻ってからもまだ1か月ちょっと経ったばかりだよ。

それでも会社に着いてからはいつもどおりに仕事をこなし、定時で退社。帰路で彼の好きだったスーパーマーケットのプライベートブランドのハイボールとレモンサワーを買い、家に戻って一息ついたところでそれらを飲み始めたときに一気に悲しみが襲ってきた。

あぁ、自分にもまだこんな感情が残っていたんだと気付かされる。両親が旅立った時でさえ、こんな感情が湧いてくることはなかったのだから。



違う土地の違う職場ではあったが、システム開発の仕事を通じて知り合ったのはもう15年以上前。
東京と北海道のお互いの職場を何度も行き来し、一緒に九州や北陸に出張したことも数えたらきりがないくらい。
歳も一つしか違わず、仕事への向き合い方も似ていたので親しくなるのにそんなに時間はかからなかった。長い会社人生において数少ない戦友であり、盟友であり、同志だった。
途中、彼の転勤で2、3年の空白があったが、偶然にも自分と同じ職場にやってきたのが2年前の春。

彼にとって初の北海道勤務だったが、コロナの影響もあり北海道を満喫できる状況ではなかった。
今年に入りやっとで神宮の例大祭やビアガーデンに二人で出かけ、次は積丹とオータムフェストだと約束していたところでまさかの病が発覚。


それでも元スライダースのハリーが同じ病から早期の復活を遂げたニュースを聞いていたので、彼の復活も信じて疑っていなかった。

それが、である。

人生どこで何が起きるかわからないってのは本当のことだった。
彼の分まで・・・なんて大それたことは言わないが、今回、古くからの親友から贈られた「燃やし尽くす」という言葉、しっかり胸に刻んで日々を生きていけたら。


亡き彼に感謝をこめてこの2曲を。


今年も残すところあと1か月。残りの1か月はロックな話を。