一昨日26日金曜日は父の命日。墓はここ札幌から250㎞離れた函館にあるので、今年は休日の翌日土曜日にお参りすことにした。


若い頃は車で往復500㎞を日帰りするぐらいは全然平気であったが、さすがに最近は身体にこたえるようになってきた。ということを心配してのことか、函館で何か美味しいものにでもありつこうと考えたのかはわからないが、市内で離れて暮らす長女が今年は一緒に付いてきてくれるという。好きなロックを聴きながらの一人のロングドライブに慣れきっているところではあるが、娘と二人のドライブもそうそう悪くはない。


今回の北海道全制覇の旅は昨年のVol.1で制覇済みの工程ではあるが、せっかくの長女とのドライブなので番外編ということで。



8月27日(土)
天気予報は生憎の雨。それでも朝5時前に目が覚めたときにはまだ雨は降り出していない。

往復するだけで10時間弱の工程は朝早く出発しなければ帰りが夜中になってしまう。ということで朝6時に自宅を出発し、車で10分ほどの長女のマンションまで向かう。


長女を助手席に乗せ早速豊平川沿いの道路を走り、通称石山通りと呼ばれる国道230号線へ抜ける。この豊平川に沿った道路は1972年の札幌オリンピックの開催に合わせ、選手村がある真駒内とスキー会場の手稲山を結ぶルートとして建設されたらしい。川を挟んで片側それぞれ2車線ある道路の途中には川を渡るための大橋がいくつかあり、それぞれの大橋の造りを眺めながら走るのもまた一興。

途中のコンビニでコーヒーを買い、軽い朝食を摂りながら市内を抜け、温泉地として有名な定山渓を過ぎるとすぐに中山峠。頂上を過ぎたところからの蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山の眺めが美しいのだが、この日は残念ながら曇りのため全く見えず。

中山峠を下り喜茂別~洞爺~豊浦と国道に沿って走っていくのがごくごく一般的なルートであるが、田園風景を愉しむために喜茂別~京極~真狩〜ニセコ~黒松内という羊蹄山麓コースを走るのがいつものこと。距離的には少し長くなるが走る車の量も少ないため却って短い時間で済むことを知る人は少ない(はず・・・)。

2時間半ほど走ったところの黒松内の道の駅でトイレ休憩。焼き立てパンやピザが美味しいのが有名な場所だが8時過ぎではまだ開店していない。
5分ほど休んですぐに出発。


30分ほど走ると国道5号線と37号線の合流地点長万部。20年ほど前までは道南の道の要所としてどのドライブインも賑わっていたが、高速道路ができた現在は空き家となったドライブインばかりが目立ちかなり寂しい通りとなってしまった。


ドライブイン街をかなり過ぎたところで、2週間ほど前からここ長万部で突如出現して話題となっている水柱の事を思い出し、長女にそのことを話すと知らないと言いすぐにネットで検索。これは見てみたいと言うが場所もどこかわからないので帰りに時間があったら寄ってみようということにして、目的地の函館へまっしぐら。

函館のすぐ手前、七飯町の道の駅なないろ・ななえで最後の休憩。
4年前にオープンしたこの施設はいつも前を通っているが立ち寄るのは初めて。
まずは隣接するこ洒落たミュージアムのダンシャクラウンジをひととおり眺めてから、なないろ・ななえに。

駅内は他の道の駅同様多くのお土産品が並ぶ。あまりこのような場所で買い物をする方ではないが、せっかくなので留守番の家人へ函館ワインのミニボトルと自分の酒の肴用として大沼名物(?)わかさぎのバラ焼きを購入。長女もなにやらいろいろ買っている。



この後はまっすぐ今回の目的である墓参りへ。
両親ともに、函館きっての観光地五稜郭タワーと五稜郭公園に挟まれた小さな寺院の屋内共同墓に納骨を済ませている。

観光客も多く行き来している割に寺院の敷地に入るとなぜか静かに感じるのは不思議。墓の手入れも不要なのでお参りはあっという間に終了。


目的の用事わずか5分のための往復500㎞の旅であるが、そこは勝手知ったる生まれ故郷。あちこち思い出の地を巡る楽しみもある。

まずは昼食。

今回の函館グルメは何にするか長女と喧々諤々。最終的に海鮮でも塩ラーメンでもなくカレーにしようということになった。

西部地区十字街のすぐそばには1948年創業のカレー店「元祖印度カレー小いけ」がある。

同店のすぐそばに並ぶように同じような名前の別な店舗があり間違えやすい。

お互いがどんな関係を築かれているかを考えるのは無粋。味はそれぞれの好みだろうし、どちらを選ぶか、また、間違って目的と違う方の店に入ってしまうというのもまた笑える思い出になるというもの。


今回お邪魔した「元祖印度カレー小いけ」は昔ながらのルーカレーだけどちょっとスパイシーでかなり好み。この味を忘れないうちに隣の別店舗にも行かなければと長女と話しができるのもここの愉しみだと思えばいい。

腹ごなしに函館山の麓、弥生坂下の昭和レトロな雑貨店を覗いた後は逆側の麓谷地頭(やちがしら)にある函館八幡宮をお参りしたいと長女が言うので早速向かうことに。

函館山界隈は自分の通った高校がある青春の地。
ここ函館八幡宮も高3の冬休み、年末から年始にかけてバイトをした思い出の場所。それ以来だから約40年ぶりということになる。
参拝客はほぼいないものの、山林下の凛とした空気感に包まれた広い境内はとても居心地がよく、長女もここはものすごくいい場所だと気に入った様子。函館に帰るたびに(と言っても帰る場所はもうないが)寄りたい場所がまた一つ増えてしまった。

この後は長女がネットで見つけたスイーツ店のかき氷を求め函館山とは真逆の美原地区へ。ようやく探し当てるも目当てのかき氷はシーズン終了。ということであえなく撃沈。


途中見つけたパン店に寄り、最後は温泉に寄ることにした。
新幹線の新函館駅からほど近いしんわの湯で小一時間ほどゆったりしたところで16時を過ぎていたので、いつものラッキーピエロ峠下本店で夕食用のハンバーガーとシェイクをテイクアウトし帰路につくことに。


↓店内には座るとお金持ちになるという赤い椅子


長万部に着くころに長女が先の水柱についてネット検索したらしく、国道37号をまたいですぐの国道5号線沿いで一旦車を止めるとすでに水柱が噴き出る音が聞こえてくる。国道を左に折れるとすぐにそれは轟音に変わる。

その場所は国道からわずか数十メートルの住宅が並ぶまん前の神社敷地内。周囲はすでにほの暗く静かなため轟音が何とも不気味。

これは住民の方はさぞ大変であろう。30mも上に噴き出る水は低温泉水であることが確認されたらしいがガスなども混ざり温泉としては使えず、なんといっても騒音をどう解消させるか大きな問題となっているようだ。住民の方たちの迷惑にならぬよう、すぐに国道へ引き返すことに。

そういえば、長万部に差し掛かる前に海上に見えた虹が水柱のように上に真っ直ぐ伸びていたっけ。


この後は途中のニセコの道の駅駐車場でテイクアウトしたハンバーガーを食べあとはまっすぐ札幌に。


長女のマンションに着いたのが21時30分丁度。付き合ってくれた長女に礼を言い、コンビニでビールを買って家に着いたのが22時ちょっと前。ガタガタの身体で遅い晩酌をしながら約16時間に及ぶ500㎞の旅の終了を迎えたのであった。


次の土曜からは遅めの夏季休暇。

帯広名物のインディアンカレーを目的に道東方面に向かうのもいいかもなぁ。



いよいよ来週4日(日)は新宿ライブフリークでベインビールのライブが行われる。今回は札幌からしっかり参戦。お近くの方も是非!


本日も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。