今年のテーマは「挑戦」と元日のブログで掲げたはいいが、何に挑戦するかそこにはしたためずにいたのだが、いくつか考えるには考えていた。

その中の一つが北海道全179市町村を訪れる旅に出ること。長いこと北海道に住んではいるが訪れたことがない街は数知れず。国内のあちこちや海外に行くのもいいが、どうせならお膝元の北海道を周ってみるのもいいじゃないかと。

しかしこのコロナ禍で大手を振っての旅行は憚れるところでなかなスタートできずに。


札幌市往来の自粛要請もあり墓参りもしばらく控えていたが、4月10日は母の三回忌ということもあり日帰りなら許されるかなということで、179市町村全制覇の旅の口火は墓参りを兼ね故郷の函館へ向かうことにした。


4月10日(土)快晴。

朝6時過ぎに10年来の愛車プリウスに乗って札幌の自宅を出発。高速は使わずに中山峠から車の通りが少なく景色の良いニセコへ抜けるコースを選択。
中山峠頂上付近は雪も残っており夏タイヤに交換していなかったのは正解。頂上から少し下ったところで蝦夷富士の羊蹄山が姿を現す。

喜茂別町~真狩村~ニセコ町~蘭越町を快調に飛ばし、札幌を出て2時間ほど経ったところで黒松内町の道の駅「トワ・ヴェール・ドゥー」で最初の休憩。ここは併設しているパン工房が評判だが、残念ながら開店前のため5分ほど休憩してすぐに出発。

30分ほど走ると長万部(おしゃまんべ)町をまっすぐ抜ける国道5号線。この通りは20年以上前まではドライブインがひしめき合い休憩地点として賑やかな通りだったが、高速道路が開通してからはすっかり閑古鳥。よく立ち寄っていたドライブインの建物も朽ち果て、もう長いこと放置されたままなのが少し悲しい。そんな中数少ない元気どころのお菓子工場はっぴーディアーズに寄りたいところだったが、旅行気分満喫の旅ではないのでぐっと我慢。代わりに近くのコンビニではっぴーディアーズ製造のポップコーン「キャラメルベイビー」をいくつか購入。


長万部の次の八雲町を通過し、いか飯で有名な森町にあるオニウシ公園で最後の休憩。開花した桜の木はないかと覗いてみたものの、やはりまだ小さなつぼみのものが何本かだけ。今年はここで桜を楽しむことはなさそうだなと思いながら公園を後にし45分ほど先の目的地函館へ。

↑何年か前に撮ったオニウシ公園の桜


両親の墓がある寺院に着いたのは正午近く。ここは観光名所五稜郭公園の入り口、五稜郭タワーの真向いという好立地。

もともと一族の墓は函館山とは逆に位置する郊外の東山墓苑にあったが、叔父が娘夫婦の住む横浜に越した際に墓じまいし、先祖は皆この寺院の納骨堂へ。


屋内にある納骨堂は入り口正面に合葬墓があり、父と母はこの合葬墓に埋葬されている。

いくばくかのお金を払い埋葬すると永大供養となり、月命日には戒名を読み上げ読経していただけるため、遠くに住む身としては市の中心地にある利便性と合わせ非常にありがたいところ。

コロナ禍でなかなか来れなかったことを詫びながらのお参りを済ませ、昼時という事もあり向かいのタワー2階にある老舗五島軒の五稜郭タワー店で伝統のカレーライスをいただくことに。

土曜のお昼時にも関わらず店内に客は1人もいない。やはり日本全国どこの方も外出は控えているのだなと、ここでも日本人の真面目さを痛感。

カレーの方は安定の美味しさ、というかレトルトで売られている五島軒ブランドのものとあまり差を感じず、レトルトの完成度の方に驚き。

昼食の後はせっかくなので入場料を払いタワー上階の展望室へ。ここ展望室も、ここから見下ろす五稜郭公園も人はまばら、この後寄った西部地区の明治館も休館してたし、こんな状況がずっと続いたら観光地の函館はどうなることやら・・・。


少しの休憩を挟み札幌へ帰るため再びプリウスに乗り込み、まずは北海道新幹線の駅のある北斗市のしんわの湯で温泉に浸かりながら旅の疲れを癒すことに。いや、この後まだ5時間のロングドライブが待っているのだが。

温泉を出た後は大沼公園の手前にあるラッキーピエロ峠下店でモカシェイクと夕食用のチャイニーズチキン焼きそばをテイクアウト。ここラッピのハンバーガーの人気は絶大で、いつ行ってもレジ前は長蛇の列だが、ここですらレジの前に並ぶ人の姿はゼロ。函館界隈の行く末がますます心配に。

↑これは何年か前に食べたラッピとんかつ焼そば。ハンバーガーももちろんだけど、オムライス、カツ丼なんかもお薦め。



森町から八雲町に向けて噴火湾沿いの道を走っていると噴火湾の向こう側に羊蹄山が見えてきた。ここで羊蹄山が望めるということはかなり空気が澄んでいる証拠。気がつけば夕焼けもいつも以上にオレンジ色が鮮やかだ。

その後順調に車を走らせ、函館から100キロ過ぎたところで朝にも寄った長万部のコンビニでコーヒーを買い、しばしの休憩。


その後、長万部から黒松内、蘭越を越したところ辺りで満点の星空だということに気付き、ニセコ町宮田の羊蹄山ビュースポットで車を止め夜空を見上げ星の多さに息をのむ。そして、ニセコ町の隣、倶知安町に6年ほど住んでいた時でさえ、暗闇の中でこんなにはっきり羊蹄山を望めたことがないというくらいに羊蹄山が漆黒の中にくっきりと浮かび上がっている。空気の澄み具合が尋常じゃないのか。

次は車中泊でもしながらゆっくりとこの時間を堪能したいものだ。

後ろ髪を引かれる思いでニセコを後にし、朝通ってきた道をなぞるようにして車を走らせ、札幌に着いたのは予定より30分ほど早い21時30分。
これにて往復10時間、滞在5時間、総走行距離500km以上の日帰り旅は終了。

訪れた街は、喜茂別町、真狩村、ニセコ町、蘭越町、黒松内町、長万部町、八雲町、森町、七飯町、北斗市、函館市の11市町村。全制覇までは残すところ168市町村。

次の旅はいつになるのか、このままだと全制覇できるまでにはかなりの長い年月を費やすことになりそうだが、そんな時間も大切にしながら北海道179市町村全制覇の旅を楽しんでいきたいものだ。



広大な北海道を車で旅するならBGMはやっぱり定番のCountry Road。ジョンデンバーやオリビアニュートンジョンもいいが、やはりここはパンクバージョンで(笑)


次回はいつも通りロックなモノを。