音の良し悪しがわかるほうではないが、少しいい音で音楽を聴いてみたいという欲求が湧き、お金を貯めてウッドコーンスピーカーがセットされたオールインワンタイプのオーディオを買おうか…なんて記事をアップしたのが4か月前。


カタログを眺めながらああでもない、こうでもないと色々妄想しつつの日々を過ごしていたある日、どうせなら実物を見てあわよくば実際の音を聴いてみようかと大型家電量販店のオーディオコーナーに出かけてみた。
ここは現在使っているレトロタイプのCDラジカセやレコードを再び聴き始めようとなった時にDENONのレコードプレーヤーを買った店舗で、格安のラジカセから超高級オーディオのコーナーまでとラインナップが充実しているので、他との聴き比べもできるかもという期待もあった。

早速目当てのオーディオで音を確かめてみたが、そのちょっと脇にあったセパレートタイプのステレオから聞こえる音の方がちょっと心地よいのが気になった。どれどれと見てみるとDENONのモノで値段は目当てのモノより少し安め。 


傍にいた店員さんに「ウッドコーンのオールインワンタイプのものとこのDENONのやつってどちらがお薦めですか?」と聞いてみた。店員さんは「まず、ウッドコーン云々よりオールインワンタイプのものの音はそれなりです。やはりスピーカーが別になったセパレートタイプの方がしっかりした音なんです。で、このDENONのモノは他メーカーの同じような値段のモノに比べてもかなりいい音しててお薦めです」と話した後に、DENONの本体とスピーカーをそれぞれ持ち上げてみるよう促してきた。言われるがままに持ち上げてみたところで、次はDENONの隣にあった某有名メーカーステレオのスピーカと本体を持つよう促すので、再び言われるがままに持ち上げてみたところで驚く。重さが全然違うのだ。店員さんはニヤリとしながら「こういうことです。同じような値段のモノでもDENONのモノはしっかりした造りとなっているのでそれだけ重さがあります。軽い方はそれだけ中身がスカスカなんですよ」と。つづけて「値段が倍の他メーカーのモノを買うくらいなら、断然こちらのDENONの方がお薦めです。結構人気で品切れになることもよくありますよ。実際、今、全国のチェーン店の中で在庫はうちの1台だけです」と教えてくれた。

決めた!


自分の中でウッドコーンのオールインワンタイプからDENONのセパレートタイプに狙いが変わった瞬間だ。レコードプレーヤーもDENON製だしセットでいいぞと。


「買うなら今」と勧める店員さんに、まだお金が貯まってないのでとは言い出せなく「もう少し検討します」と応え、カタログだけいただいて店舗を後にした。




教えてくれた店員さんには申し訳ないが、どうせなら少しでも安く手に入れたいと考えるのが哀しい性。そこから、カタログとあちこちのオンラインショップ、オークションサイトを覗く日々が続くことになる。大体の市場価格もわかったところで、本体は程度のいい中古品、スピーカーはオンラインショップのポイントを貯めて新品を買うことに決めた。


2か月ほどしたところでメルカ●にCDを1枚再生したのみというほぼ新品のモノが新品の半値以下で出品されているものを見つけた。

真実かどうかはわからないが信じるしかない。何と言っても経年劣化した中古品よりもかなり格安。と、判断できるまであちこち探し続けて目は肥えてきたのである。


早速購入ボタンを押して間もなくしたところで丁寧なコメントが返ってきて、CD再生1枚のみということに偽りはないと確信した。 


1週間もしないうちに商品が届いたが、スピーカーはまだないので開封しただけですぐに部屋の隅で保管することに。実は事情があり義母が隣の部屋で期間限定の同居を始め、大音量で音楽を愉しむことができない状況が続いていたのだ。

それからかれこれ1か月半。
義母の入居する高齢者向けホームが決まったところでオンラインショップのポイントもそこそこ貯まり、ついにスピーカーも購入。めでたく今週始めに本体と共にセッティングしたところ。
家人と義母の留守を狙って、まずはマフス(パンクバンド)のCDを爆音で聴いてみる。

相変わらず音の良し悪しはわからないままだが、楽器一つ一つの音が今までよりくっきり聴こえる感じだ。特にドラムの音が群を抜いて気持ちいい。



セッティングの際に再び本体の箱を開けて気づいたのだが、どういうわけかピアノ名曲のCD6枚組が同梱されていた。

きっとこのステレオでこういうのを聴くのがお薦めという出品された方の配慮だったのだろう。とてもいい方と取引できていたということで、普段はこの手のモノを聴くことはほぼないが、せっかくなので1枚聴いてみることにした。


あぁ、家電量販店で心地よく感じたのはこんなのだったと思い出す。


そこからは少しアコースティックなロックのCDを聴いてみた。

いい感じだ。相変わらず何がいいかは表現できないが、音の一つ一つがこちら側に覆いかぶさってくる感じ。


一昨日にはテレビとの接続ケーブルも買ってきてライブ映像を収めたBlu-rayやDVDも爆音で聴くことができるよう環境も整えた。


そして今日は義母のホーム入居日。
いよいよ午後からは気兼ねなく爆音で聴けるぞ。
と思ったところで、ホームからコロナ陽性者が出たので入居日を延期してほしいとの連絡が。
とりあえず義母が入居する前でよかったということで、爆音の日々は今月末に控えている夏季休暇からにしろ!という誰かからの計らいだろうと思うことにした。

当面はいただいたピアノ名曲集を新しいオーディオと元のCDラジカセとで聴き比べでもしてみよう。

爆音で聴けるようになる頃には、少しでも音の良し悪しが語れるようになっているといいのだが…。