これから話すモッシュは、主にパンク・メタルのライヴでのモッシュのことを指します。
まずライヴのマナーと言うけど、そもそも、マナーに対しての捉えた方は人によって異なる場合があります。
パンクやメロコアのライヴの常識、アイドルのライブの常識、クラシックコンサートの常識は異なるし、同じフェスでもフジロックとカウントダウンジャパン、同じようなロックのライヴでもハイスタやWANIMAのライヴの常識とミスチルのライヴの常識、X JAPANのライヴの常識、ベビーメタルのライヴの常識と言うように、常識も異なれば、マナー自体も違うのかもしれない。
またスタンディングのライヴと全席座席指定のライヴの常識は異なるのかもしれない。
同じスタンディングでも、ライブハウスとフェスでは常識が異なるのかもしれない。
しかし、一貫して言えること。
ライブ中に周囲が見えているかどうか、また純粋にライヴを楽しんでいるかどうかがマナーに直結して来て、マナー自体に定義があるわけではなく、当人の心の持ちようの部分が大きいように思う。
まず、パンクやメタルのモッシュについて考えてみたいと思います。
クラシックコンサートや演歌歌手のコンサートでモッシュをやろうものなら非常識になると思う。
そこまでかけ離れてなくても、同じロックでもモッシュが起こりにくいライヴもあります。
でも、パンクやメタルのライヴでのモッシュは一種カルチャーになっていますね。
モッシュもライヴの楽しみの一つとはなっているが、原則は音に反応してグルーヴ感を持っているかどうかです。
では、モッシュと言うけど、モッシュには、色々とあります。
ここでありとあらゆるモッシュを挙げるとキリがなくなって来るので、主要なモッシュを挙げて、実際に自分がライヴでやっている、やったことがあるモッシュについては、◯をつけました。
ないものについては×をつけました。
ウォール・オブ・デス ◯
ライブ会場で観客が左右に分かれ、曲の開始もしくはバンドが合図をした瞬間に全員で左右から中央に突撃するモッシュ。
サークル(ストーム) ◯
ライブ会場で観客が輪を描くように移動もしくはグルグルと回ること。左回りとも呼ばれる。
ヘッドバンギング(ヘドバン) ◯
バンドの演奏する曲に合わせて、激しく頭を上下に振る(場合によっては左右・頭を回転・八の字などに動かす)行為。
腰バン ◯
腰から折りたたむように上半身を前後に激しく動かす行為です。
フィストバンギング ◯
バンドの演奏する曲に合わせて、腕を上げて拳を振る行為。
手バン ×
曲に合わせて手をヘッドバンギングの様に上下に振る動作
ハンドクラップ ◯
手拍子
床叩き ×
手拍子の代わりに床を叩く行為。
ダイブ ◯
ステージ上や、会場を仕切る柵、または他の観客の利用して、観客が密集している場所に飛び込む行為。
リフト ◯
他の人を肩や頭上に持ち上げたり担ぐ行為。
あるけど、あまりやらないですね。
クラウドサーフ ◯
クラウドサーフィングとも呼ばれていて、観客の頭上を泳ぐようにして、主にステージ方面へ移動する行為。
テコンドーモッシュ ×
テコンドーのように腕や蹴りを繰り出すモッシュ。
輪モッシュ ◯
数人で肩を組み、輪になって回るモッシュ。
レッキン ×
演奏の音楽に合わせ周囲の観客と殴りあうモッシュ。
顔面をパンチするわけではないです。
ポコダンス ×
頭を振りながらジャンプを繰り返す行為。
起源はセックスピストルズのシド・ヴィシャス。
スカダンス ◯
スカパンクやスカコアなどのライブなどに多いダンス。
前傾姿勢でその場で走るように素早い足踏みで踊ります。
前傾姿勢でその場で走るように素早い足踏みで踊ります。
ツーステップ ×
右右・左左、右右・左左というリズムでステップを踏んでおこうなう行為のモッシュ。
また、バンドの指示で観客全員座らせて、合図とともにジャンプさせて、モッシュに導かせていることもありますね。
後、モッシュとは違うけど、ライヴの楽しみ方で、ライヴのコール & レスポンス、オイコール、シンガロング、マキシマム ザ ホルモンのナヲさん主導の恋のおまじない、ハイタッチ、タオル回し、クロマニヨンズのタオルショー(ヒロトが観客の持っているタオルを頭上に挙げさせて、インパクトの強いタオルをステージ上で紹介するもの)、最近、WANIMAやハイスタもやりだしたケータイ、スマホのライトを曲に合わせて照らすこと、また主にスダジアムやアリーナのスタンド席でのウェーブ(スタンド席の観客がステージから向かって一番左の席から右の席に向かって順番にリレー方式で、手を挙げて席を立つ行為。)があり、最近では、WANIMA、過去にはAIR JAM、大阪城ホールでのミューズのライヴで目撃しました。
また、ロコフランクが去年やり出したロコダンス、ホルモンの恋のスペルマの振り付け、WANIMAの「開催しまーす。」とか、ブラフマンの「お母さんお願い」のSEのときの手を挙げて合掌するシーン、ハイスタのMosh Under The Rainbowを始め、隣の人と肩を組んで踊ったりするシーン、SAのライヴでの「隣りの知らない人と肩組んで。」と次々に観客が肩を組んで行くシーン、NEW ACOUSTIC CAMPのフォークダンス(トシロウの指導のもとに行われ、体裁はフォークダンスだが、実際はモッシュ同然になっていて、ウォール・オブ・デスを彷彿します。)またフラカンの「真冬の盆踊り」で盆踊り風に踊るとか、挙げればいくらでも出てきますよね。
これもあったね。
要はライヴでは絶対にこの動きをしなければならないのはなく、自分の好きなようにやればいいだけのことです。
つまり、パンク、メタルのライヴだからと言って、モッシュしている人がモッシュしないで、最前列にいる人や脇で見ている人に対して、「バンクのライヴなのにモッシュをしないなんて。」と言うことは出来ないですよね。
ライヴでの人の楽しみ方はその人の価値観によって様々です。
いずれにしても、純粋にライヴそのものを楽しんで、周囲への思いやりを忘れなければ、自然とマナーに繋がって行くように思います。
ここで言いたいのは、ライヴのときアーティストの許可がない限りNGとされているカメラやケータイ、スマホでの撮影。
これって、純粋にライヴを楽しんでいるのでしょうか?
後で画像や動画をアップして目立ちたいだけですよね。
でも、ステージからはよく見えているし、撮影されているアーティストが迷惑なだけでなく、周りの人も迷惑です。
フェスでの前方での場所とり。
自分の好きなバンドが出てくるまで場所を譲らない行為。
本人達からしたら、「自分の好きなバンド以外でも楽しめばいいでしょ。」と理屈をこねるかもしれないですが、貴方よりそのバンドの好きな人の気持ちになって考えて下さいですよね。
自分では楽しんでいるつもりでも、それは周りから見たら楽しんでいないから。
ライヴ中に具合が悪くなったり、転んで怪我をしてヤバそうな人がいたら手助けするのもマナーです。
やっぱり皆で純粋に音楽を楽しむ、それが周りの配慮にも繋がると思います。
最後になりますが、ライヴでの「圧縮」と言う言葉がありますよね。
スタンディングライブのアリーナやフロアにおいて、ライブの開始時や人気曲の開始時に観客が一斉に前方へと押し寄せ潰される行為です。
これに関しては、自分は当然のように前方で押されることがあり、意外とライブハウスよりラウドロックのフェスの方が圧縮の範囲が広過ぎて、逃げ場を失ってしまうこともあります。
でも、圧縮を嫌うなら初めから前の真ん中に行かず、後からモッシュピットに入ったりする方が、割と思うように体を動かせることもあるし、実は前へ行き過ぎでもう少し後ろに下がれば、割と動きやすいってこともありますね。
でも、怪我をしたら何にもならなくなるので、怪我には注意ですね。
自分はこれまで、鼻血や青アザ、筋肉痛程度ですが済んでいますが、慢心しないようにしながらも、自分らしくライヴを楽しみたいですね。