ラピュタ阿佐ヶ谷
祝 瀬川昌治 生誕100年 乾杯!ごきげん全員集合!! より
製作:東映
監督:瀬川昌治
脚本:井出雅人 野上龍雄
撮影:星島一郎
美術:井川徳道
音楽:木下忠司
出演:鶴田浩二 長門裕之 待田京介 大木実 頭師佳孝
久保菜穂子 志村喬 金子信雄 藤山寛美
1967年1月14日公開
一匹狼の殺し屋の相良徹(鶴田浩二)は、雇い主の花輪(名和宏)の裏切りによって服役しました。8年の刑期を終えて出所した相良は、マンションで花輪と彼の情婦を射殺し、愛車ポルシェでその場を去ります。
その後、相良は金山興行の金山社長(天津敏)から、麻薬ルートの独占を計る競争相手の榊(内田朝雄)の殺しの依頼を3000万円で引き受けました。一方、榊も金山が自分を狙っていることを察知し、殺し屋の黒木(大木実)を用心棒として雇っていました。
関西に飛んだ相良は、南禅寺で榊を襲いますが黒木に阻まれます。相良は深夜、榊ビルに忍びこみエレベーターで夜を明かします。翌朝、榊が数人の護衛を連れて現われ、社長室に入る瞬間、相良は榊を射殺することに成功します。
首尾よく3000万円を手に入れた相良でしたが、協力者の西川(長門裕之)から花輪殺しの目撃者が現われたことを知って愕然とします。相良は目撃者の暗殺を謀り、警視庁に面したビルの屋上からライフルを構えます。刑事たちに物々しく囲まれて警視庁入りする目撃者。しかし、その目撃者は相良と顔見知りの少年・実(頭師佳孝)でした・・・。
鶴田浩二が射撃を得意とする暗殺者を演じた映画は「ギャング対ギャング 赤と黒のブルース」がありますが、残念ながらそちらは未見。本作では殺し屋が鉄道オタクという珍しい設定になっていて、趣味を通じて少年と親しくなる点、刑務所に入っていたため新幹線のことを全く知らない点など、特異な設定を巧く活かしています。
少年がプラレールの列車を届け先に置き忘れたため、戻って死体を発見するくだりは巧いと言いたいところですが、そもそも注文の衣装を届けるのにおもちゃを持ち歩くか?とツッコミを入れたくもなります。
それにしても、鶴田浩二はどんな役を演じても、良い意味で変わりませんね。かつて岡本太郎は「スターは大根であれ」と言いましたが、その意味するところは、主役を張る役者はどんな役を振り当てられても独自色を出せと言うことでしょう。
この映画でも東映悪役陣の層の厚さを感じさせます。鶴田浩二を裏切る依頼主に名和宏、天津敏に依頼された標的に内田朝雄、天津の組織に金子信雄と待田京介が居て、鶴田に恨みを抱く殺し屋の大木実と充実しています。
話自体は主人公と親交のある少年が、殺害現場から去った鶴田のポルシェを目撃し、そのことを知った鶴田が葛藤するのが映画の肝の部分なのですが、父親の志村喬との確執、鶴田を堅気の生活に戻そうとする久保菜穂子の話も絡めたため、話が些か散漫になったきらいがあります。
昔の映画を観る楽しみのひとつは、ロケーションで映し出された当時の風景を見られること。この映画でも鶴田と久保が追っ手を撒くため、京都の狭い路地を行きかう描写に惹かれました。昨今、観光公害によって京都がすっかり様変わりしてしまっただけに、インバウンドなぞという言葉が影も形もなかった60年代の風景の美しさは貴重に思えました。













