チラシより
イタリアの世界遺産ドロミーティ(ドロミテ)山脈を熱気球で横断するツアーに参加した夫婦、ザックとエミー。そこへ謎めいた女性ジュリアが同行し、3人は地上を遥かに見下ろす高度へと上昇していく。しかし、上空に差し掛かった瞬間、ジュリアは突如ザックの不貞を暴露し、ナイフを手に狂乱状態へ。壮絶な痴話げんかに巻き込まれた操縦士はゴンドラから転落し、無線は断線、バーナーは出力全開のまま暴走。熱気球は操縦不能となる。操縦士不在のまま気球は酸欠寸前の高度16,000フィート(約4,800メートル)に達し、狭いゴンドラで助け合い精神ゼロの3人。極限状況の中で事態は容赦なく彼らを追い詰めていく――。
製作:イギリス アメリカ
監督:クラウディオ・ファエ
脚本:アンディ・メイソン
撮影:ハイメ・レイノソ
美術:フェリックス・コールズ
音楽:マーカス・トランプ
出演:ヘラ・ヒルマー ジェレミー・アーヴァイン
ケルシー・グラマー オルガ・キュリレンコ
2026年7月10日公開
ザックは親の遺産で企業を起こしたCEOで、最近になって大規模なリストラを行なっています。その結果、古参の社員が抗議を込めて彼の目の前で自殺をしています。
ザックの妻エミーは幼稚園の先生をしており、流産を経験したことで気が塞いでおり、夫が身体を求めてきても応じる気になれずにいます。
ジュリアは数日前にザックとバーで知り合い、盛んに秋波を送ってきました。しかし、ザックは女房持ちであることを明かして、彼女の誘いに乗ろうとはしませんでした。
こうした背景を踏まえた上で、ザックはエミーを慰めようと熱気球のツアーに妻を誘いますが、ジュリアが不意に後から熱気球に乗りこんできたことから不穏な空気が漂い出します。この時点では観客から見るとザックの浮気は白に近い印象を受けます。
ザックは突然のジュリアの出現に嫌な予感がして、他人の振りを決め込もうとする一方、ジュリアはエミーに彼と知り合いであることを仄めかしつつ、ザックにメールを使って肉体関係にあることの口止め料として大金を要求してきます。
ジュリアがザックとメールで遣り取りできる設定からして、彼女が金以外に裏の目的があることはミエミエで、彼女の秘密が明かされても然程驚きはありません。また、人間関係のゴタゴタがサスペンスとの相乗効果になっていれば、まだしも、寧ろ足枷になっている点が痛いです。
ジュリアがしきりにメールで口止め料を催促して、ザックを追い詰めていくのはいいのですが、なかなか承知しないのに焦れて、唐突な行動に移すのは頂けません。更に、操縦士が熱気球を修復しようとする傍で暴れるに到っては、アホなの?とシラケてきます。
他にも後出しジャンケンの部分が散見され、都合の良さに苦笑したくなりました。したがって、妥当な結末に終わっても、スッキリした気持ちにはなれませんでした。狭い空間で展開されるサスペンスにおいて、観客を満足させるのは相当難しいことを改めて痛感させられました。
こちらの映画は特殊設定の分野では数少ない成功例でしたね
