冤罪に陥れられそうな知的障碍の少年を公権力から護ろうとして・・・「ニワトリはハダシだ」を観て | パンクフロイドのブログ

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DVDあらすじより

少年サム(浜上竜也)は重度の知的障碍を持ちながらも、人並外れた記憶力を持っている。しかし、その能力が災いして、偶然にも警察の汚職事件に巻き込まれる羽目に陥ってしまう。権力を盾に、サムを犯人に仕立てようと目論む人々から彼を救い出そうと、一緒に暮らすチチ(原田芳雄)、在日朝鮮人のハハ(倍賞美津子)、そして養護学校の教師・直子(肘井美佳)までが身体を張って事件の謎に挑んでいく!

 

製作:シマフィルム ビーワイルド 衛星劇場

監督:森崎東

脚本:近藤昭二 森崎東

撮影:浜田毅

美術:磯見俊裕

音楽:宇崎竜童 太田恵資 吉見征樹

出演:浜上竜也 肘井美佳 石橋蓮司 余喜美子 加瀬亮 守山玲愛 岸部一徳

             柄本明 笑福亭松之助 塩見三省 中川梨絵 李麗仙 倍賞美津子 原田芳雄

2004年11月13日公開

 

潜水夫であるチチは、知的障碍を持つ息子のサムを一人前の潜水夫にしようと思っており、彼の教育方針を巡って在日朝鮮人のハハと娘の千春(守山玲愛)とは別居状態にあります。

 

サムは人並外れた記憶力があり、その卓越した能力ゆえに刑事の丹波(塩見三省)と立花(加瀬亮)に捜査協力したにも関わらず、裏金作りをした次期検事総長(岸部一徳)、次期検事総長に賄賂としてベンツを贈ったやくざ(笑福亭松之助)、裏金作りの証拠となる裏帳簿に関連した汚職事件に巻き込まれてしまいます。

 

その結果、サムはベンツを盗難した事件の関係者に仕立てられ、検察や警察の不祥事が闇に葬られそうになります。冤罪にされそうになるサムを、チチ、ハハ、養護学校の若い女性教師が救おうとするのが、この映画の骨子です。

 

森崎東監督の映画では、権力側の不祥事の隠蔽に巻き込まされた人々を描く点において、「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」に連なる作品と言えます。原田芳雄と倍賞美津子の共演、警察とやくざが癒着する点も同様です。

 

映画の舞台は京都・舞鶴。戦前までは軍港として栄え、戦後は中国大陸、朝鮮半島、シベリアからの引き揚げ者の受け皿となった港であり、その名残が映画の中でも窺えました。

 

現代社会に潜む問題を取り上げる社会派の作品ながら、常にユーモアを忘れないのが森崎監督らしいですし、チチを潜水夫にして、サムに受け継がせるような設定にしたのも、検察や警察の不祥事を暴く伏線にしている点において話が良く練られていました。

 

娘と警察組織の狭間で苦渋する石橋蓮司、己の保身のために冷徹な命令を下す岸部一徳、パワハラ刑事の塩見三省などの脇役が、いつも通りの芝居を発揮する一方、温厚な印象のある笑福亭松之助をやくざの親分に仕立てて、やくざの怖さを演出するのも見ものでした。