虐げられた女性社員がパワハラ社長と無人島で二人きりになったことで・・「HELP 復讐島」を観て | パンクフロイドのブログ

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HELP 復讐島 公式サイト

 

チラシより

コンサル会社の戦略チームで働くリンダは、誰よりも数字に強く有能。しかし、新たな上司となったブラッドリーはパワハラ気質で、仕事はできるが不器用な彼女は早速、目をつけられてしまう。ある日、出張中の飛行機事故によって、リンダはブラッドリーと無人島で二人きりになってしまう・・・!絶体絶命の状況の中、唯一の趣味であるアウトドアの知識を生かしながら、無人島に適応していくリンダと、ケガで自由に動けないブラッドリー。それでも以前と変わらず上から目線で命令を繰り返す彼に、リンダは「もうオフィスはないのよ」と冷酷に告げる---。そして、彼女の心の奥底に溜まっていた復讐心が、ついにあふれ出す。立場や上下関係が次々と逆転するその先には、誰ひとり予想できない“大どんでん返し”が待ち受けていた。

 

製作:アメリカ

監督:サム・ライミ

脚本:ダミアン・シャノン マーク・スウィフト

撮影:ビル・ポープ

美術:イアン・グレイシー

音楽:ダニー・エルフマン

出演:レイチェル・マクアダムス ディラン・オブライエン

              エディル・イスマイル デニス・ヘイスバート

2026年1月30日公開

 

その昔、「流されて・・・」というイタリア映画がありまして、そちらはブルジョワジーの奥方と召使の男が地中海の孤島に漂着して、立場が逆転する話でした。本作は男と女の立ち位置を入れ換えて、パワハラ新社長に嘲られた女性社員が、飛行機事故によって九死に一生を得た後、無人島に辿り着いたことから、社長に意趣返しをする物語になっていました。

 

リンダは数字に強く仕事に関しても有能なことから社長に気に入られて、副社長の椅子を約束されていましたが、社長の急死によって息子のブラッドリーが引き継ぐことになり冷遇されます。リンダ自身も仲間と巧く溶け込めず、自己アピールが強すぎることもあって、社内では浮いていて、部長職の割には周囲から軽く見られがちにされています。

 

ブラッドリーはかなり問題のある人物ですが、実務に関しては有能でも管理職に向いているとは限らず、必ずしも彼がリンダの昇進を見送ったのは間違いとも言い切れません。尤も仕事中にゴルフのパッティングの練習をする最高責任者や、世渡りだけ巧く仕事のできない社員が優遇される風通しの悪い企業は、遅かれ早かれ潰れる運命にあると思いますけどね(笑)。

 

リンダは重役たちと共にタイに出張しますが、その道中で飛行機のトラブルに見舞われます。幹部たちがロクデナシばかりなので、飛行機事故の際の浅ましいほどの彼らの描写は、笑えるくらいスカッとします。

 

結局生存者はリンダとブラッドリーのみで、二人は否応なく無人島での生活を強いられます。アウトドアを趣味にしているリンダは、無人島での暮らしにすぐさま適応できたのに対し、ブラッドリーは自分の置かれた立場を弁えず相変わらず彼女に対して支配する態度を取り続けます。

 

勿論、リンダはブラッドリーには従わず、自分が居ないとどうなるかこれ見よがしに苦痛を味わわせ、立場が逆転したことを思い知らせます。ブラッドリーは腸が煮えくり返り、彼女に殺意を抱いてもおかしくないのですが、リンダなしでは自分も生き残れないため従わざるを得ません。

 

リンダにあまり危機感や悲壮感が見られないのは、自分が支配する側に回ったことも大きいでしょう。そのことだけではなく、彼女が島に関してある情報を握ったからであり、ブラッドリーをある場所に近づけさせないため布石も打ちます。

 

ところが、リンダにとって予想だにしなかった出来事が起きます。その結果、彼女の本性が露わになり、徐々にホラーの要素も濃くなってきます。島の秘密に関しては都合良過ぎてしらける上に、結末も皮肉が利いているとは思えませんが、支配と服従が逆転する話としては、笑える箇所もあって結構楽しめました。また、仕事が評価されず鬱屈を抱える女性の映画としては、同じサム・ライミの手掛けた「スペル」とも親和性が高いように思えましたね。

 

劇中でリンダがアゲアゲになるブロンディの曲