活動写真の限界に挑む?「不良番長 やらずぶったくり」を観て | パンクフロイドのブログ

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私たちは何度でも立ち上がってきた。
ともに苦難を乗り越えよう!

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

年明け早々にラピュタ阿佐ヶ谷では『東映時代劇まつり』の特集があり、シネマヴェーラ渋谷では年末から『ダグラス・サーク』の特集が始まっており、更に神保町シアターでは本日から『女優・佐久間良子』特集が始まるなど、旧作を観に行くだけで手一杯の状態です。どうやって効率良く観に行くか、頭を悩ませる一方で、観たい映画を観られることは嬉しい悲鳴でもあります。1月から2月にかけての映画館鑑賞はかなりの強行軍となりますが、まずは健康に留意して劇場に足を運びたいと思います。

 

ラピュタ阿佐ヶ谷

〈狂犬暴走〉生誕80年 渡瀬恒彦の役者稼業 より

 

製作:東映

監督:野田幸男

脚本:山本英明 松本功

撮影:稲田喜一

美術:江野慎一

音楽:八木正生

出演:梅宮辰夫 菅原文太 山城新伍 渡瀬恒彦 安岡力也 潮健児

1971年7月31日公開

 

神坂団長(梅宮辰夫)率いるカポネ団の面々は、全国トルコ風呂連盟と称するインチキ組織を設立し、風俗嬢たちの引き抜きをして別の店に売り込む商売を思いつきます。そんなカポネ団は、五郎(山城新伍)をリーダーとするズベ公グループ七色会と知り合い気意投合します。

 

しかし、彼らは地元の暴力団花岡組に眼をつけられ、神坂たちはやむなく、神坂のネリ鑑時代のダチの伊吹信次(菅原文太)を訪ねて、漁村で働くことになります。この漁村は、水産会社の肥料工業から排泄される廃液のために公害問題が持ちあがり、信次らの船は近海での漁業ができなくなり、鮪を追って遠洋に出掛けていました。漁を終えて帰ってきた信次たちでしたが、検査の結果、鮪が汚染されていると廃棄処分を下されます。

 

ところが、廃棄された筈の鮪は秘かに日の丸水産に運び込まれていました。これを目撃した神坂たちは工場に乗り込み、検査自体が漁業組合長の榊(天津敏)と日の丸水産で仕組まれたものだと知ります。悪事を知られた日の丸水産は、花岡組を使って神坂らを消そうと企むのですが・・・。

 

『不良番長』シリーズは何作か観ていますが、その中でも下品、不謹慎、バカバカしさの極まる喜劇でした。これが鈴木則文の監督作だったら納得してしまいますが、野田幸男がそこまでやるかと少々驚きます。尤も、野田幸男も『不良番長』シリーズを何作も手掛けていて、羽目を外す点には驚かないものの、ここまで振り切っているのは見たことがありません。

 

こうした作品では、山城新伍が水を得た魚のように実に活き活きします。山城の弾けた芝居に、渡瀬恒彦も梅宮辰夫も菅原文太もやや霞んだ感がありました。また、安岡力也がメンバーに入っているせいか、日活の『野良猫ロック』に見られるアナーキーな雰囲気も感じられました。

 

そもそもカポネ団は、やくざの目を掻い潜りながら金儲けを企む集団なので、松方弘樹主演の「893愚連隊」におけるネチョネチョ生きるこっちゃの精神を持つアウトロー集団の系譜に連なり、この映画でもそのせこい商売は如何なく発揮されています。

 

東映は常に流行り物を即座に映画に取り入れる傾向があり、ここでは全盛期の庄司敏江・玲児のどつき漫才が見られます。ぶっ飛んだギャグがふんだんに詰め込まれていて、徹底したおふざけを楽しめるかどうかで評価が分れるでしょう。