就活生のグループディスカッションが一転して修羅場に・・・「六人の嘘つきな大学生」を観て | パンクフロイドのブログ

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六人の嘘つきな大学生 公式サイト

 

チラシより

誰もが憧れるエンタテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用。最終選考まで勝ち残った6人の就活生に課せられたのは“6人でチームを作り上げ、1か月後のグループディスカッションに臨むこと”だった。全員での内定獲得を夢見て万全の準備で選考を迎えた6人だったが・・・急な課題の変更が通達される。「勝ち残るのは1人だけ。その1人は皆さんで決めてください」会議室という密室で、共に戦う仲間から1つの席を奪い合うライバルになった6人に追い打ちをかけるかのように6通の怪しい封筒が発見される。その中の1通を開けると・・・「××は人殺し」そして次々と暴かれていく、6人の嘘と罪。誰もが疑心暗鬼になる異様な空気の中、1人の犯人と1人の合格者を出す形で最終選考は幕を閉じる。悪夢の最終面接から8年が経ったある日、スピラリンクスに1通の手紙が届くことである事実が発覚する。それは〈犯人の死〉。犯人が残したその手紙には「犯人××さんへ」という告発めいた書き出しに続き、あの日のすべてを覆す衝撃的な内容が記されていた。残された5人は、真犯人の存在をあぶりだすため、再びあの密室に集結することに・・・嘘に次ぐ嘘の果てに明らかになる、あの日の「真実」とは---。

 

製作:「六人の嘘つきな大学生」製作委員会

監督:佐藤祐市

脚本:矢島弘一

原作:浅倉秋成

撮影:花村也寸志

美術:金勝浩一

音楽:佐藤直紀

出演:浜辺美波 赤楚衛二 佐野勇斗 山下美月 倉悠貴 西垣匠 中田青渚 木村了 渡辺大

2024年11月22日公開

 

佐藤祐市監督の映画は「名も無き世界のエンドロール」のみを観ています。その際に記事にしなかったのは、失礼ながら映画が箸にも棒にもかからない内容だったからです。また、他の監督作では未見の「キサラギ」があり、こちらはライムスターの宇多丸が自身のラジオ番組で酷評していたこともあって、正直乗り気のしない鑑賞ではありました。

 

それでも鑑賞する気になったのは、浅倉秋成の原作を読んでいたからで、どんな映像作品になっているか多少なりとも興味がありました。ただ、実際に本編を観てみると・・・。

 

小説と映像作品は別物と分かっていても、口を挟まずにはいられなくなります。特に物語に重要となる部分を端折り、どうでも良いような描写を付け加えられるとガッカリさせられます。スピラリンクスに選ばれた一人が、数年後に過去のディスカッションを検証しようとするのが肝なのに、かなりあっさりした描き方をしているのも不満のひとつ。

 

また終盤に、ある人物が人格の変わったように豹変する演出は、日本映画の悪しき表現にシラけましたし、訓垂れるような場面にもうんざりさせられました。宇多丸の「キサラギ」評では作り手のアイドルへの愛情のなさに激怒していましたが、この映画でも伏線の回収の杜撰さを始め、ミステリーへの理解に欠けた面が窺えました。

 

浜辺美波を愛でようと見方を変えても、そもそも棚ぼたで自分の夢を叶えた人物に感情移入はしづらく、女優目当てで観るのも苦しいです。原作を読んでいなかったら、もっと高く評価したかもと思える映画もたまにありますが、この映画は粗ばかり目立つため、原作を読んでいなくとも然程評価は変わらなかったでしょう。原作は良く練られたミステリーだっただけに、映画のみで判断されるとしたら、原作者が少々気の毒に思えました。