ここ1週間ほど味覚が感じられないまま食事をしていました。鼻が詰まって味が分からないことはあっても、匂いまで全くしないのは初めてでしたので、かなり戸惑いました。医者に診てもらおうか決めかねているうちに週末が来てしまい、とりあえずもう少し様子を見ようと決めました。私も少しばかり開き直って、どうせ味がしないのならば、この機会を利用して大嫌いな納豆を食べようと、一昨日の夜に15年振りに口にしてみました。納豆は匂いが苦手なだけで、ネバネバした触感は問題ありません。その納豆の効能なのか、昨日ランチを食べていると匂いが戻り、料理の味も普通に感じられました。これで漸く一安心ですが、納豆がまだ冷蔵庫に残っているのですよ・・・。
こうのすシネマ
午前十時の映画祭 より
製作:オーストラリア
監督:ジョージ・ミラー
脚本:テリー・ヘイズ ジョージ・ミラー
撮影:ディーン・セムラー
美術:グラハム・ウォーカー
音楽:ブライアン・メイ
出演:メル・ギブソン ブルース・スペンス ヴァーノン・ウェルズ
1981年12月19日公開
石油を巡る戦争によって、文明が崩壊した後、暴走族がガソリンの略奪を繰り広げる社会になっていました。そんなある日、マックス(メル・ギブソン)は、愛車V8インターセプターの燃料を狙って追い回していたウェズ(ヴァーノン・ウェルズ)を始めとする暴走族のグループを追い払った後、道中で1機のオートジャイロを見つけます。
彼はパイロットのジャイロ・キャプテン(ブルース・スペンス)の襲撃を受けますが、返り討ちにし、命乞いする彼から近くに石油精製所があることを教えられます。マックスはジャイロ・キャプテンの道案内で精製所へと辿り着きます。しかし、精製所は周辺区域を縄張りとするヒューマンガス(ケル・ニルソン)率いる暴走族の襲撃に日々脅かされていました。
マックスは暴走族に襲撃された男を救い出し、精製所に搬送し所内に入ることに成功します。マックスはインターセプターに搭載するガソリンを要求しますが、男が亡くなったために反故されたばかりか、車まで差し押さえをくらいます。
一方、ヒューマンガスは精製所から出た住民を盾に取り、「精製所所から立ち退けば命は保証する」という妥協案を突き付けて立ち去っていきます。ヒューマンガスの提案に精製所の住民たちの意見が割れる中、マックスはリーダーのパッパガーロ(マイケル・プレストン)の計画に協力し、トレーラーの調達を請け負うのですが・・・。
本作は石油争奪戦の近未来の話になっていますが、時代設定を変えれば、西部劇に置き換えてもおかしくないほど親和性の高い物語になっています。外敵から身を護るために武器を取って立ち向かう姿は西部劇の精神を受け継いでいますし、石油精製所の攻防戦は、インディアンに砦を包囲されたかのよう。また、クライマックスのタンクローリーでの疾走は、幌馬車がインディアンの襲撃に遭う趣きがあります。
暴走族とタンクローリーの追っかけっこが始まる前には、敵味方ともに濃いキャラクターのエピソードが差し挟まれていて、ヒューマンガスの片腕となるウェズの凶暴さ、ジャイロ・キャプテンの憎めなさ、ブーメラン使いの少年とマックスの相棒犬の活躍等々、それぞれのキャラクターの良さを引き立たせています。
主役のマックスは、前作で家族を失ったこともあって、虚無的になっています。タンクローリーの運転を一度は断っているように、あまり他人と深く関わろうとはしません。そうした頑なな姿勢も、命を救われたことにより、危険な仕事を自ら買って出る心境の変化が生まれてきます。
タンクローリーを運転するマックスが、追手の暴走族を振り切ることができるかは、映画を観てのお楽しみですが、タンクローリーが横転したことにより、ガソリンが引火して万事休すかと思いきや、実は・・・といった仕掛けなどは意外性があって巧いです。「怒りのデスロード」が本作の真髄を取り込みながら換骨奪胎したように、この2作目は重要な分岐点となっています。いずれにせよ、『マッドマックス』初期3作の中では、2作目が一番面白いですし、以降のシリーズの方向性を決定づけたと言えます。