架空のスパイ小説が現実のスパイ活動の予言書に?「ARGYLLE アーガイル」を観て | パンクフロイドのブログ

パンクフロイドのブログ

私たちは何度でも立ち上がってきた。
ともに苦難を乗り越えよう!

ARGYLLE アーガイル 公式サイト

 

チラシより

凄腕エージェントのアーガイルが、謎のスパイ組織の正体に迫る大人気小説「アーガイル」。ハードなシリーズの作者エリー・コンウェイの素顔は、自宅で愛猫のアルフィーと過ごすのが至福の時という平和主義。だが、新作の物語が実在するスパイ組織の活動とまさかの一致でエリーの人生は大混乱に!小説の続きをめぐって追われる身となった彼女の前に現れたのは、猫アレルギーのスパイ、エイダン。果たして、出会うはずのなかった二人と一匹の危険なミッションの行方は──?!

 

製作:イギリス アメリカ

監督:マシュー・ヴォーン

脚本:ジェイソン・フュークス

撮影:ジョージ・リッチモンド

美術:ラッセル・デ・ロザリオ ダニエル・テイラー

音楽:ローン・バルフェ

出演:ヘンリー・カヴィル ブライス・ダラス・ハワード サム・ロックウェル

        ブライアン・クランストン キャサリン・オハラ デュア・リパ

        アリアナ・デボーズ ジョン・シナ サミュエル・L・ジャクソン

2024年3月1日公開

 

予告編を観る限りでは、トム・クルーズとキャメロン・ディアスが共演した「ナイト&デイ」みたいな映画なのかと思っていました。ところが、蓋を開けてみれば、一筋縄では行かぬスパイ映画になっていて、意表を突いてくる点においては、かなり好みの作品でした。観客を次々と驚かせる点と、敵か味方か疑心暗鬼にさせる点では、スパイ映画に相応しい作品に仕上げてあります。

 

特に、エイダンから逃れてきたエリーが、ロンドンで両親と落ち合う場面で、観ているほうは父親の顔を見た瞬間「何で?」と声をあげそうになります。また、エリーが敵の組織のメンバーのデータを見ていくうちに、「何故この人物が・・・?」と疑念に駆られる場面も意外性があります。

 

基本荒唐無稽な映画ですが、エリーの書いた小説が現実のスパイ組織の活動を予言するというあり得ない話も、腑に落ちる説明がされれば納得するほかありません。細部の伏線が巧く回収されていることが、この映画を支えていると言っても過言ではないでしょう。

 

そして、マシュー・ヴォーン作品と言えば華麗なアクション。外連味たっぷりと言うよりヤリ過ぎ感のある演出が実に楽しいです。この映画でも、冒頭のカーチェイスを皮切りに、列車内での接近戦、彩り豊かな煙幕を張った中での銃撃戦、石油塗れの床の上で優雅に敵を刺し殺していく場面など、見どころはたっぷりあります。

 

おそらく1週間も経てば、映画の中味はすっかり忘れているでしょうが、映画を観終わった後の爽快感は暫く残りそう。ちなみに本編が終わった後のおまけ映像では、本作の前日譚を作ることを仄めかしていて、続編があるかもしれませんよ。