女子大生のリングに賭けた青春!?「美少女プロレス 失神10秒前」を観て | パンクフロイドのブログ

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シネマヴェーラ渋谷

日活ロマンポルノ50周年 私たちの好きなロマンポルノ より

 

製作:にっかつ

監督:那須博之

脚本:佐伯俊道

撮影:森勝

美術:金田克美

音楽:スペクトラム

出演:山本奈津子 小田かおる 渡辺良子 美野真琴

        由利ひとみ 志水季里子 井上麻衣 萩尾なおみ

1984年1月13日公開

 

篠原メグ(山本奈津子)は悪友の横山しのぶ(小田かおる)と共に、夢の島大学に在籍する姉のマミ(志水季里子)のプロレスの試合を見ていました。しかし、マミは乳を露わにした状態でフォールされ、メグはがっくり肩を落とします。その後、メグは姉の通っていた夢の島大学、しのぶは八王子大学に進学し、それぞれレスリング部に入部します。虚弱体質のメグは練習に悲鳴を上げながらも、応援団の気の弱そうな山田(田浦智之)と知り合い、純朴な彼に次第に好感を持つようになります。

 

メグは幼なじみでブティックに勤めるデザイナーの和雄(沢田勝美)に仄かな恋心を抱いていましたが、しのぶが彼のモデルになったことでヤキモキします。更にしのぶが和雄と関係を持ったことにショックを受け、山田に処女を捧げてしまいます。やがて学園祭の季節になり、そこで夢の島大と八王子大の試合が組まれます。メグはキャプテンの松森彩(渡辺良子)とタッグを組み、八王子大学のしのぶのペアと戦うのですが・・・。

 

女子レスリングを題材にした映画では、ロバート・アルドリッチ監督の遺作「カリフォルニア・ドールズ」が思い浮かびます。「カリフォルニア・ドールズ」が真剣勝負を前提にしたガチンコのプロレス映画になっていたのに対し、「美少女プロレス」は筋書きありきの試合を含め、裏側の部分もある程度明かしています。だからこそ、女同士の意地の張り合いから、試合のストーリーを塗り替えることへの興奮と快感が湧き起こってきます。

 

篠原メグは大学で聖書研究会に入部しようとするほど文科系女子なのですが、堀真由美(井上麻衣)に騙されプロレス研究会に無理矢理入部させられてしまいます。同好会とは名ばかりで、練習を見る限り、しごきに近い修行や訓練が課せられます。80年代の大学の運動部でもこれほど上級生と下級生との待遇格差は滅多になく、私自身、中学1年の部活動における理不尽さが甦り、ある意味懐かしさを覚えました(笑)。

 

割と求道的な練習の一方で、先輩たちがアイドル研や写真部の男部員と神聖なリングの上でくんずほぐれつの交尾もしており、この落差も面白いです。ただ、後の真由美の言葉から、興行をするためにプロモーション活動をしてくれる男部員への接待とも受け取れ、複雑な想いに駆られます。「カリフォルニア・ドールズ」でも枕営業をしていましたね。アクションに目を転じれば、リング上での練習や試合における動きはやや緩慢な部分が見られるものの、結構サマになっています。女優自身が体を張ってプロレス技をかけたり、受け身をとったりしているのを高く評価したいです。

 

山本奈津子は「エースをねらえ」のポルノ版「濡れて打つ」でも、理不尽な特訓を受けつつ、テニスの才能を開花させる女の子を演じていましたが、彼女には被虐のヒロインが似合います。短髪好きとしては小田かおるに目が向きがちになるものの、山本が全然負けていないのが頼もしいです。キャプテン役の渡辺良子は、タッパがあって体格も良いため、女子レスラー役にはうってつけ。プロレス技をかける際にも非常に絵になります。マネージャー役の井上麻衣はアクション場面こそないものの、一時期はポルノ界の百恵ちゃんと呼ばれただけあって美少女度も高く、眼鏡をかけたことによって魅力も増しています。クールを装いながら、夜這いに来た男二人をまとめて面倒見る淫乱な点も落差があってツボでした。

 

試合自体は「カリフォルニア・ドールズ」のほうが手に汗握る展開があって興奮をもたらされます。それに対して本作は、プロレスを通じて一皮むけ、大人になった女子大生の成長物語が味わえます。メグとしのぶの関係にしても、男を巡った憎しみに発展しそうなところを、相手より上に立ちたい感情が先に立った結果、互いに切磋琢磨する間柄になっていて、後味の悪くない終わり方をしています。那須博之監督は後に「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズを手掛けましたが、ヤンキー感は案外この映画の体育会系気質から来ているのかもしれません。

 

劇中で流れていましたよ

IN THE SPACE スペクトラム