昨夜は、アートマイムの新作発表会でした。僕は「敬礼」という作品を上演させて頂きました。

以前の僕は「走馬灯」や「variations#2」のような抽象的(かつ難解)な作品中心でした。しかし、最近は、なるべく具体的で分かりやすい作風を心がけるようにしています。できるだけ多くの方にマイムの技法を楽しんで頂き、そのうちの何人かに心を動かしてほしいと思っているのです。

また「敬礼」では、主人公に強いキャラクターを設定しました。主役のキャラが強いと、間違いなく作品の面白さは倍増します。その代わりに、演技が何倍も難しくなります(フィギュアスケートで持ち点の高い技は、成功する確率が低いのに似ています)。今回、初めて強いキャラクターに挑戦してみて、その魅力を味わえたのと同時に、ハードルの高さを痛感しました。でも、僕の持ち味を生かすには、キャラを上手く取り入れた方が良いに決まっています。今後も、積極的に、魅力的なキャラクターに挑戦していこうと考えています。

おかげさまで「敬礼」の上演は概ね好評で、ご覧頂いた多くの方に楽しんで頂けたようです。なかには「文学的」と評価して下さった方もいらっしゃいました。正直、できて間もない作品で、まだまだ完成度が低く、上演中も「この演出は違うな」と思うこともしばしばでした。でも、それは稽古場では絶対に気付けないことです。見て下さった皆さんに感謝しなくてはなりません。