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私は学生時代、私は谷山浩子とさだまさしと中島みゆきが好きだった。
いや、今でも好きなのだが、ぬるいファンの哀しさで、疎遠になって相当な月日が過ぎた。
昔は、この人たちのファンである事を公言すると「暗い」と言われたものである。
ただ、当時は三人ともラジオ番組の司会をしており、これがまた実に面白い、中毒になるほど面白い、思えば私は禁断症状の時にラジオ番組を断たれて、体から中毒成分が抜けてしまったのだろう。
抜けたものなら、とりあえず補充をしよう。
さて、この三人、特に繋がりはない。強いて言えば、谷山浩子と中島みゆきは仲がいい、さだまさしと中島みゆきは仲がいい。それだけだ。(さだと中島は松山千春も共通の友達だったそうだ)。そして、当時のオタクというかアニメファンのファンが多かったミュージシャンであった。犬くんも、谷山浩子とさだまさしは好きだった…。中島は?…、そういえば犬くんから彼女の話が出た事は一度としてないな。
中島みゆきに関する話題で一番に思い出したのは「大学時代に同性からもてた」という話である。
どうも、私のブログは他所で聞かない逸話が載るが割とソースが曖昧なものもある点は告白しておく。
そして、この話も実はアニメ誌の投稿で知ったという定かではないものだ。ただ、それが長い間印象に残っているのは、女性と思しき投稿者により、若い頃の中島みゆきが可愛らしく、女生徒の声にこたえる様子がイラストで描かれていたからである。
この情報自体は定かではないが、彼女がファンに愛されていたのは間違いない。
ただ、彼女を「魔女」と呼ぶ人もいたと聞く、そう聞くとおぼろげだがそういう奴もいた気がする。
何故、そんな風に呼ばれたのか?。 たとえば、先に引き合いに出したさだまさしに関して言えば「関白宣言」が偉く有名なばかりにそのイメージが付きまとっているが、さだのアルバムに収録されるような歌では、少女の恋愛をテーマにした今にして言えば乙女な感じな歌も実は多い。今の時代なら、割と個性で済まされそうなものだが、当時は男がそういう歌を歌うのは気持ち悪いという非難も少なからずあったようで、さだは「女性の心理を歌うのに女言葉で歌わなきゃ意味が無い」という旨の反論をしていた。 そういう時代に、中島はジェンダーのエッジの刃の上を渡るような歌を歌っていた。
また、暗いと揶揄される筆頭の「うらみ・ます」などは、この歌は衝撃的過ぎて、山崎ハコの「呪い」と並び称せられる…、悪い意味でネタ的な取り上げられ方をする歌になってしまった。
それは中島の歌の力が強すぎた結果だったとも思える。
そして、80年代には、エッジは更に鋭くなっていたような気が…する。他のジャンルを見てみると、メジャーなメディアでは女性の進出が多い印象こそあったが、中島の歌のように深く突き刺さるような部分にまで踏み込んだようなものは少なかったと思う。
早い話、そんな歌を歌って欲しくない男がかなりいて、魔女扱いされた。という事であろう。
もっとも、中島の歌の内実は「本当のこと」を歌っているだけであるが、「多くの人が見れた物を暴いても秘密じゃない」、「秘密ではないならこっそりと流しはしない」と言われたりもするが、中島の歌は別に隠匿される必要もない日常であるが、それでも角は立つのである。
さて、90年代に入り、ドラマの主題歌に起用されてきて、嬉しかったりもした。中島の歌はポピュラーな位置に来たようのだろうか。
70年代に若者だった中島のファンが成長して、製作サイドについた事もあるだろう。
例えば、ドラマ「家なき子」に限らないが、野島ドラマへの起用は完全にその路線であろう、野島ドラマが「タイガーマスク」や「ブラックジャック」などの同時期の漫画にインスパイアされている点からも、それは伺える。 しかし、近年の仕事の中でも特に有名な仕事といえる「プロジェクトⅩ」という番組には、男のイメージがあり、そこに中島の歌というのも違和感がなくもない。
実際、「地上の星」で中島と縁がなかった男性のサラリーマンという購買層が買っていったという。この「地上の星」が売れたことに私が違和感を持つのは、世の中はかなり変わってきたにしても、リーマン男性という一番旧態然とした存在が中島の歌を買った点にあるが、彼らは「プロジェクトⅩ」の主題歌に一方的に共感して買ったに過ぎないのであろう。
しかし、中島が「地上の星」で歌う「星」について、良く聞くと性別に関してはどちらというものでもない、単に「人」を指しているようだ。
案外、世の中はまだ中島に追いついてもいないのかもしれない。
ちなみに、後から調べたら、どうも私が親しんだ80年代半ば以降というのは、中島自身も迷っていた時期であったらしい。もっとも、今尚続く「夜会」などはその時期以降の始まっているし、ポピュラー化もその時期の迷いがあればこそ、という気もする。
色々、長と半端なりに語ってみたが、中島が歌っているものは「人」であり、「人の歌」なのだ
と思う。
つか・・・本当に半端で、ちょっと申し訳ない気分でもある。
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