

本書の内容については,本文最後に「読売新聞で2023年11月1日から7日まで計7回掲載された連載記事「変容する米国」と24年5月7日から18日まで計8回掲載された連載記事「米大統領選2024 論争の現場」と複数の単発の記事をベースに,その後の大統領選の動向なども踏まえて大幅加筆し,再構成したものである。」という記載があります。
そして,ブックカバーの折り返しには,以下のような記載があります。
「アメリカの分断を体現する「排他主義」のトランプ対「多様性の象徴」ハリスの大統領選挙。世界を先導してきたアメリカの民主主義と多様な社会はどこへ向かうのか。ブラック・ライブズ・マター運動で広がる黒人と白人の溝,キリスト教やLGBTQを巡る「青い州」と「赤い州」の価値観の対立,国境の街とリベラルナ都市の不法移民の押し付け合い,ユダヤ・アラブ・アジアなどの国際情勢から派生する攻防―激しさを増す軋轢に苦しむアメリカの今を描き出す総力ルポ。」
本文を読み進む中で興味深い世論調査が掲載されていたので紹介しておきましょう。
ウォール・ストリートジャーナル紙などが行った調査です。
「愛国心」が非常に重要と回答した人は1998年に70%いたのが,2023年には38%まで低下した。「宗教」は62%から39%,「子供を持つこと」は59%から30%に下がった。対照的に「お金」は31%から43%に上昇した。
かつて愛国心と宗教はアメリカを象徴する価値観でした。
あなたはこの結果をどのように思いますか。
現在のアメリカが置かれた状態が見えてきますね。
世界が驚愕したトランプ前大統領の暗殺未遂事件。
皮肉にもトランプの「強さ」を内外に誇示する結果となり、共和党の結束は強固なものとなりました。
一方、バイデン大統領は現職大統領として56年ぶりの再選出馬断念を余儀なくされ、女性初の大統領を目指す黒人・アジア系のハリス副大統領を後継に指名せざるを得なったのでしたね。
そして,「差別主義者」対「多様性の象徴」という,アメリカが直面する分断を体現する選挙戦が展開されることとなり,黒人と白人の溝、キリスト教やLGBTQ、中絶を巡る「赤い州」と「青い州」の価値観の対立、国境の街とリベラルな都市の間での不法移民の押し付け合い、ユダヤ・アラブ・アジアなど国際情勢から派生する攻防が繰り広げられました。
その結果,アメリカ国民は圧倒的にトランプを支持しました。
当選から数か月が経過し,世界中が混乱しています。
世界を先導してきたアメリカの民主主義と多様な社会はいったいどこへ向かうのでしょうか。