さっぱりした今日 ちょっと肌寒い | 箱の中

箱の中

¿ハコの中にいる¿


お風呂に入った
僕はよくお風呂に入る
主人格からは「お風呂担当」って言われるくらいには よく入る
でも 本当は お風呂なんか好きじゃない

ずっと身体は売り物だった
少しでも綺麗にして そしたらちょっと優しくしてもらえるかもしれないって
そんな風に考えてしまう
汚い身体を 少しでも綺麗にしたい
生きる手段だった だから仕方ない
僕の汚さは消せはしない
人を買うような奴らを少しでも汚してやりたい
だから僕は身体を売る

買ってくれた人たちに感謝している
あの時 あなた達が居なかったら 僕はもっと酷い目に遭ってたかもしれない
でも だけど そんな道を選ばなくてもいい世界だったら もっと良かったのに
ないものねだりをしても なんの意味もない
IFの世界の話をしても なんの意味もない
隣の芝生は青く見えるものだ
今僕が出来ることは あれを過去だと認識すること
あの過去は どの過去かよりはマシだったと 想像すること
それくらいだ

11月に入って 随分肌寒くなった
冬が近づいて来ているんだね
12月は嫌いだ 寒さは目には見えないけど そこにあって 僕を過去に引きずりこむ
暖かい場所で休むことも許されなかったあの時
街中の人が幸せそうに過ごす中で ウリの相手を待ったあの時
そうしないと生きられなかった あの時
思い出すのは嫌だ そんな思い出しかないのが嫌だ
普通がなかった過去が嫌だ 思い出す幸せな記憶がないのが嫌だ
寒さが心に染み入る感じがするのは その寒さを防ぐものが僕にないから
冷たい
悲しい 寂しいよ

自ら手放した温もり 今更取り返しがつかない
僕らの決断は間違っていなかった と心理の人は言っていた
僕はそうは思えない そう 思いたくないだけ
自分を正当化したくないだけ 僕が悪かったのだと 誰かに叱って欲しい

それでも生きなきゃ 僕は生きなきゃ 
僕は主人格のために生きるって そう決めたから
でも忘れないよ ずっと覚えてる
だけど記憶が 悪さするんだ 時々世界がズレて 時間が巻き戻って あの時 あの瞬間になった時 僕は平静を保てない 生きなきゃいけないことを忘れそうになる
だから入院するんだ
きっと僕は前に進んでいる
分からないけど 進んではいるはずだ