ATOLL (アトール) | pulsar21

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           1975 「L'Araignee-Mal(組曲「夢魔」)」


「仏のイエス」 として日本に紹介されたアトール。キング『ヨーロピアン・ロック・コレクション』パートⅡに2ndアルバム「組曲「夢魔」」は登場し、シリーズ最大の売り上げを記録しました。そして唯一のライブアルバムが「ライブ・イン・ジャパン」、当時の日本での人気ぶりが伺えます。

発売したアルバムは全6枚。全て日本盤で発売されました。
  ①1974年 Musiciens-Magiciens
  ②1975年 L'Araignee-Mal(組曲「夢魔」)
  ③1977年 Tertio(サード・アルバム)
  ④1980年 Rock Puzzle
-- 解散、再結成 --
  ⑤1989年 L'Ocean
  ⑥1989年 Tokyo C'Est Fini Live in Japan

デビュー・アルバムでアトールが掲げた「ヴォーカルとハーモニーとヘヴィなインストのバランスよいブレンド」はYESデビュー時と同じ目標でした。 アンドレ・バルザー(Andre Balzer) のクリア・ヴォイス、楽曲の構成、緊迫したアンサンブルなどがイエスと比較対象になっている。アンドレ・バルザーのハイトーン・ヴォイス、自分はジョン・アンダーソンと似ているとは思わない。アンドレの方が迫力あるし、表現力があるのではないか、そしてアトールの楽曲には、アンダーソンのヴォーカルは似合わない。

このグループのスリリングでもありメロディアスなサウンドは、他のフランスのバンドに見られる重さをひきずっていない。そして各メンバーの技術力も高く評価されている。1stアルバムでギターのLuc Serraは力量不足が指摘され、2ndアルバム前に名手クリスチャン・ベアに交代している。

1975年に発表された2ndアルバム「組曲「夢魔」」。ドイツのアモン・デュールⅡのギタリストであった クリスチャン・ベア(Cristian Beya) をメンバーとし、ヴァイオリニストとしてメンバー同格の リシャール・オペール(Richard Aubert) を迎えた。複雑華麗でテクニカルなアンサンブル、表現力のあるボーカル、叙情的でシンフォニックな演奏、このアルバムでATOLLは一躍人気グループとなった。(当時フランスで一番人気のあったバンドはアンジュ(Ange))

このアルバムの全曲は以下の通り。全7曲の内、4~7は組曲となっている。2曲目以外は全て副題が付いている。フランス語がわからない人にとっては、曲をイメージする手助けになると思う。

  1.悪魔払いのフォトグラファー(Le Photographe Exorciste)
    《スーフルの青い光》
    《あばかれた正体》
    《怪奇現象》
    《・・・そして出現》
  2.カゾット NO.1(Cazotte No.1)
  3.恍惚の盗人(Le Voleur D'extase)
    《陶酔》
    《色彩の盗人》
  4.思考時間(Imaginez Le Temps)
    《謎の暗闇》
    《透明な湖上にて》
  5.夢魔(L'araignee-Mal)
    《睡眠思考》
    《冷凍幻影》
    《老衰頭脳》
    《精神浸蝕》
  6.狂った操り人形(Les Robots Debiles)
    《操り人形》
    《神への冒?》
  7.プラスチックの墓碑(Le Cimetiere De Plastique)
    《プラスチックの街》
    《墓地》
    《不思議な子供たち》
    《夜を求めて》

1977年に発売された3rd「Tertio」からは、「パリは燃えているか(Paris C'est Fini)」がシングルカットされ、アトール最大のシングルヒットとなった。アルバムからは複雑なインストパートが少なくなり、ポップ化したという人もいる。しかし、テクニカルでシンフォニックなサウンドはそのままで、2ndと並ぶ傑作とされている。2曲目の「神々(Les Dieux Meme...)」でのスキャットは、 MAGMAのステラ・ヴァンデ、リサ・デリュのコーラス隊 である。

1979年の4th「Rock Puzzle」発売後、ドラムとキーボード以外のメンバーは脱退してしまう。 ジョン・ウェットン(John Wetton) とギターのJean-Jacques Fletyを迎えてリハーサルを行うがうまくいかず、ATOLLは解散する。4thアルバムのボーナストラックとして、後日6曲が追加される。内、3曲は81年に録音されたジョン・ウェットン参加の作品
  a.Here Comes the Feeling
  b.No Re
  c.Eye to Eye
a.は エイジアのデビューアルバム エンディングの曲 です。
   

1989年の再結成は、 クリスチャン・ベア(Cristian Beya) が中心になった(金の為?)その時来日したライブが6枚目として発売されました。

頂点を極めた2ndアルバム以外は叙情性が少なく、個人的には1回で素通りしてしまいました。手元に残ったアルバムも2ndと3rdだけ。しかしこの2nd「組曲「夢魔」」は素晴らしい。ATOLLも2nd発売後なかなかアルバムを出さず、さらに解散までしてしまったのは、この2ndがあまりにも凄いアルバムだったからと思われます。

ライブでも夢魔は演奏されていますが、スタジオ盤と比べると数段迫力が落ちる。
「組曲「夢魔」」のフル・アルバムは、こちらから再生できます。


先ずはこの曲と抜き出す事が出来ず、全体として聴いて欲しいアルバムなのです。YouTUBEのあるユーザーが、自分のフォトアルバムと合わせて、「組曲「夢魔」」4曲目の「思考時間(Imaginez Le Temps)」の1部をバックミュージックとして使っています。アトールの叙情的な部分を伺うには格好の題材なので、貼り付けてみました。ただ、YouTUBEはここまではOKなんだ、と思わせるスライドショーの為、音だけ聴いていただいた方が良いかもしれません。