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救命救急センター最前線

旧:モーグルとサッカーをこよなく愛するある医師のブログ。救命救急センターで本物の救急医になるために鍛練の毎日。
医学以上に情熱をそそぐスキー(特にモーグル)や城・歴史、サッカーネタなど。お勧め医学書コーナーも充実!

過去の著書の名言集。エッセンスを集めたものなので、前後のつながりはありませんが、言いたいことだけ抜き出してくれているとも取れます。効率よく著者の考えをゲットしたい人向け。発想力を鍛えるヒント、思考のプロセス、思考力を高める方法、知性を磨く生活、思考につながる読書、発想が豊かになるおしゃべり、未来を創るヒントなどの項目があります。研究のClinical Questionを編み出すのに繋がる本だと思います。

 

 

 

人工呼吸業界ではベストセラーの一冊が大幅な改訂です。前作から著者も大きく入れ替わり、新しい概念も追加され、よりわかりやすくなっています。「まず用語を正しく自分なりに理解しよう」の部分は砕けて書きすぎかもしれませんが、読みやすいと思います。看護師さんでも大丈夫です。人工呼吸について勉強したいな、と思ったらまず手に取るべき一冊だと思います。

 

 

 

 

遅ればせながら司馬遼太郎にハマっております。新撰組を描いた「燃えよ剣」、最近映画化もされました。佐幕派としてはたまらない読み物です。フィクションなはずなのに作者が調べまくって書いているので、伝記のようです。所々に作者注のように後日談も散りばめられいて面白いです。土方歳三の生き様や沖田総司の人柄に惹かれてしまいました。

 

 

 

 

 

先見の目や才能のありすぎた、最後の将軍。どんな有能なリーダーも部下がいないと一人では何もできません。忠臣を次々と暗殺されてしまったことも災いしました。その点、長州や薩摩は、リーダーは無能でも、実働部隊だけで物事を進めていきました。幕末というのは、この時代の出来事が少しでも違っていたら、現代の日本は大きく違っていたのだろうな、というところが面白いです。

 

 

 

胸部ほど非専門医が画像診断に関わることが多い領域はありません。COVID-19の流行に伴い、非専門医が胸部画像診断を行う機会がさらに増えているものと予想されます。多くの非専門医が特別なトレーニングすることなく、何となく読めるような気になってしまっている胸部X線写真や胸部CTを分かりやすく解説してくれる特集です。

 

執筆陣は画像診断の専門家というよりも、第一線で患者と胸部画像に向き合う新進気鋭の臨床医であり、堅苦しい成書のような記述ではなく、目の前の医学生や研修医に教えるよう感じで書かれています。

 

正常構造(解剖)から始まり、各論では、分厚い教科書のような「XX病の画像所見」というようなものではなく、主訴と画像パターンから鑑別疾患を考える日常臨床に適用しやすい構成になっています。各項目は多忙な読者が読みやすいように、マニアックなところに足を踏み入れないように、エッセンスを濃縮した短めのものになっています。

 

 

 

 

 

ある程度のデータ処理を行い、論文を執筆するとなると、Excelだけでは苦しくなってきます。そこで統計ソフトの出番です。日本ではSPSS, R, Stata, SASあたりがよく使われています。Rは無料だけどコードを書くのが取っ付きにくい、SPSSとSASは高価で個人ではとても。。。という方のために中間的で使いやすいのがStataです。

 

こちらで開催されているStataの実技セミナーの書籍化です。

 

 

今まで医療者向けのStataの分かりやすい本が存在しなかったので朗報ですね。結局解析は実際に手を動かしてみないとできるようになりません。この本にはテストデータが付属しているので、本を見ながらいろいろいじってみましょう!

 

 

 

 

2023年、明けましておめでとうございます。

1年以上ブログを放置しておりました。

年賀状などでちゃんと更新せよとのご意見が多いので、facebookだけでなく、こちらもぼちぼち更新させて頂きます。

 

たまには医学書の紹介です。

手前味噌で恐縮なのですが、こちらの胸部X線写真の初心者向けの本のご紹介です。

 

呼吸器内科や放射線科の専門医をもっている人以外は、あまり系統的に胸部X線写真の勉強や研修をされた人は少ないのではないでしょうか。本書は医学生、研修医、看護師、放射線技師、非専門医、など初学者を対象としています。読めるような気になっている胸部X線の基礎を解説し、疾患を診断する読み方ではなく、異常があるかないか、を解説したものです。自信をもって「異常なし」と言うのは実は非常に難しいのです。見逃しのない読み方、それを伝授してくれる教科書だと思います。

 

詳しくは別の素晴らしい先生のレビューがあるので参考にしてみてください。

 

 

放射線の専門の先生から

 

 

出版社の紹介ページ

 

 

スペインのサッカークラブでのコーチングメソッドを元に人材育成に必要な考え方を示してくれています。教える、指示するのではなく、考えさせることの重要性を説いています。既読スルーの法則は興味深かったです。既読スルーされた時に人それぞれで解釈は異なるのですが、そこからどのように認知するか。要するに世の中には自分の力ではどうしようもないこともある。だからこそ自分の力で向上できるものに意識を向けるというものです。他にも「指導者は選手の学びを創出するファシリテーター(潤滑油)に過ぎない」、「教える」は指導者や上司が主語、「学ぶ」は選手や部下が主語、「頑張る文化から想像する文化へ」など学ぶところがたくさんありました。次回のICLS指導者養成ワークショップの指定教科書にしようかな。

 

 

 

 

こういうClinical Pictureはタイムリーで勉強になります。モデルナ接種後の遅発性発疹、1回目の8日後(range 4–11日)に多いというのは重要なメッセージです。私も大手町の大規模会場で接種した人が、1週間後に皮疹がでたというのを見たことがありますが、全く同様でした。その時はこの知識がなく、だいぶ遅れて出てきていて、しかも注射部位を中心としていないので、別な原因の皮疹?とも考えていました(このletter 3月に出ていた・・)。典型的には4–5日で改善するそうです。ご安心ください。初回接種の0.8%に起こるというので、まあまあな頻度です。この知識がないがために蜂窩織炎と判断されて不必要な抗生物質の投与もあったようです。さらにこの反応は2回目接種の禁忌ではなく、2回目の時は起こらないか、起こっても軽くて済むようですので、副反応出たから2回目は止めましょう、と誤ったアドバイスをしないようにしたいですね。(詳細は原文をご確認ください)

https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc2102131?fbclid=IwAR28aWsCtcKznDQE4qAS5WwaAhOKIWvDiLz93QiG8iZVK9cn5CR8ouvlihA

 

同じ時期に論文の読み方の本が連続して出版され、うれしい悲鳴です。通称赤本(必ずアクセプトされる医学英語論文 改訂版)、青本(できる!臨床研究 最短攻略50の鉄則)、黒本(超絶解説 医学論文の難解な統計手法が手に取るようにわかる本)、オレンジ本(できる!傾向スコア分析: SPSS・Stata・R を用いた必勝マニュアル)に続く、緑本の登場です。通称の色は私が勝手に付けましたので悪しからず。後藤先生の本とは少し切り口が違っていて、精読を勧めています。斜め読み厳禁です。「時間がないから読み飛ばす」という悪癖から抜け出し、「時間がないから全部早く読む」という発想に転換して欲しい、と裏帯にあります。少なくても良質な論文を読むために、検索術にも1章を割いています。早く読むための予測読み、CONSORTやSTROBEに沿って実際の論文を例に取りながら精読する過程を示してくれています。赤・青・黒・緑とセットでマストバイでしょう。読まなければ、何も始まらない、のです。