明日はホワイトデーだが、この歳になると、さすがに関係がなくて楽である。


バレンタインデーに最も多くのチョコをもらったのは、今から20年前。

中学校のPTA会長だったときである。

お返しが恐怖だったが、それについてはまたにしよう。


そもそもバレンタインデーなるものが世の中に現れたのは、我々の中二時代…正確には昭和48年頃である。


当時は、女性から男性に告白するのはみっともないと考えるご時世であったが、

唯一2月14日だけは女性から男性に告白してもよいということになり、

想いを伝えるためのツールとしてチョコがえらばれたのである。


よって、チョコは本命の男子に贈るもので、義理チョコなどというものは存在せず、

友チョコなどはもってのほかだった。


その年のバレンタインデーは、本命のOからちゃんとチョコをもらうことができた。

板チョコを溶かしてハートの型に入れ、再び固めたもので、

表面には筆記体で「I love you」が刻まれている。

幸福であった。


2ヶ月の間に、likeはloveに昇華したのである。


さて、家に帰って自室でいただこうとして困ったことになった。


固すぎて、どうにも歯が立たないのである!


やむを得ず、釘とカナヅチを持ってきて、カン!カン!…と砕いていただく。

破片が部屋中に散らばっていく。


彼女からもらったハートをカナヅチで砕いていただく…。

どうにもシュールな光景であった。



手作りのチョコを渡したい方へ一言

チョコを溶かしたあとは、卵白とか生クリームとかを入れるとよろしいようですよ。