何が起きたのか…ご想像の通りである。
私は対向車線を左から走ってくる、よく見える方の車にはねられたのである。
私が横断歩道の残りを歩こうと前を向くと、左側の視界に車の先頭部分が見えた。
「え…うそっ…」と思う間もなく、私の身体は地球の重力から解放され
(…どこかで使ったフレーズだが…)
5〜6mは飛んだであろうか。
妙に気持ちがよかったような気がする。
7歳の子どもでも、「あ、これは死ぬのかな?」と感じたものである。
そして私の身体はまもなくアスファルトに叩きつけられることになるのだが、
幸いなことにランドセルから落ちたため、
それがクッションになって、頭部が守られたのであった。
私は意外にも冷静であり、泣きもせず、はねられた車に乗せられて家に向かった。
慌てたのは3人の仲間の方であった。
目の前で友人がなねられて、宙を飛んだのである。
しかもその原因は彼らがつくったともいえる。
曲がり角に立ち、車を先導し、私が家に入るまで見届けてくれたのであった。