父がどうしてもできない家事が洗濯。

そして、薬を飲むことであった。

 

それだけなら、ヘルパーさんを頼めば済むことなのだが、

父は他人が家に入ることを極端に嫌がった。

選択は、私が行ったときにまとめてすればよい。

しかし、薬はそうはいかない。

 

そこで、百均でカレンダー型の薬袋を買ってきて、毎日飲む量を小分けにして入れておく。

そのカレンダーは、いつも父の部屋の机の横の壁に、よくわかるようにかけておく。

その上で、毎日、電話で薬を飲むように伝える。

 

しかし、一週間後に行ってみると、薬がまるで減っていない。

電話では「飲んでるよ~」といっていたが、そんなものは全く信用できないのだ。

何とか父の行動を監視できないかと、カメラの設置に踏み切った。

 

リビングの壁にカレンダーの薬入れを移動し、カメラでそれを写す。

携帯で父を誘導しながら、薬を取らせ、飲むように伝える。

 

毎日同じことを繰り返し、確実に薬は袋から減っていることが確認できた。

 

そして1週間後に行ってみると、袋から出された薬は、父の机の上に移動しているだけであった。

 

いよいよ無理なときが近づいてきているのを感じた。