そのうちに、
「行っても仕方がない。ただ、ぼーっとしているだけで、時間の無駄だ」
といい始め、だんだんデイケアを休みがちになる。
しまいには、別の利用者とテレビが見える見えないで言い争いになり、
あわやつかみ合いになるという事態が起きた。
職員によると、喧嘩両成敗。
喧嘩っ早いのは、父の若いころからの性分である。
曜日を変えてもらったのだが、気分は変わらず、結局2ヶ月ほどで、そこをやめてしまった。
次に行ったところは、より活動的な場所だということで、少々期待した。
しかし、やはり内情は似たようなものであり、父の心を動かすほどではなかったようだ。
そこも2ヶ月ほどでやめ、とうとう父は1人で家にいるだけの存在になってしまった。
高齢者の引きこもり、一丁上がりである。