認知症は未だに治すための薬がなく、進行を遅らせる薬があるだけである。
診察の大きな目的は、介護保険の適用を受けるため。
要するに手続きである。
長谷川式の検査を始めて見た。
父は、今日の日付はもちろんのこと、
「桜・猫・電車」の三単語。
100から7ずつ引くことはできたが、今見たものが思い出せない。
特に、知っている野菜の名前が、レタスとキャベツだけだったことはショッキングだった。
その後、市役所から調査員が来て面談をしたのが5月頃だったか。
認定された等級は要介護1。
日常の生活ができ、体に異常のない父は、なかなか介護度が上がらない。
それでも、デイサービスや老人ホームに入るときの援助を受けることができるようになった。
ありがたいことである。
つぎに、ケアマネージャーの選定にかかる。
これも星の数ほどもある事業所から、最も合うところを選ぶ。
それが難しい。
結局、これも一つの出会いと思い、最初に電話をかけたところで決定する。
ケアマネさんの名前は、Kさん。ほのぼのとした感じの上品なおばさまであった。